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公共施設は図書館や市民会館など数多くあります。もしかしたら利用したことがない方もいるかもしれません。また、公共施設の運営方法や使われている税金の内訳について知っている方は少ないのではないでしょうか。中には無駄になってしまう設備もあります。普段気に留めることのない公共施設の資金について詳しく解説していきましょう。

都築 葵と赤羽 恵
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公共施設の運営方法と資金を解説します

公共施設の運営方法と資金を解説します

私たちは日々、様々な形で税金を支払っています。

税金には「国税」と「地方税」の二種類ありますが、国税には所得税や法人税の他に相続税や贈与税、消費税、酒税、そしてたばこ税なども含まれているのです。

一方の地方税には個人住民税と固定資産税、そして自動車税があります。

これまでよく意識せずに払ってきた税金ですが、国が課すものと地方自治体が課すものと分けられており、その用途や利用目的も違います。

個人が支払う税金の金額はそれほど多くなくても、市民全員、国民全員の払った金額をトータルすればかなりの金額になるのです。

ここでは私たちの払った税金がどのように運用され、どんなところに使われているかを詳しく解説します。

公共施設はなぜ運営できているのか

公共施設はなぜ運営できているのか

東京や大阪などの首都圏や大都市から人口が数千人の小さな村まで、日本全国のあらゆる地方自治体には「公共施設」と呼ばれるものが存在していることをご存知でしょうか。

公共施設は「住民の福祉を増進する目的を持ってその利用に供するための施設」と自治法第244条第1項に定義されています。

具体的には公立の病院や図書館、市民会館あるいは保健所などが公共施設と呼ばれるものです。こういった施設はもともと利潤の追求を考えていません。

例えば図書館などは誰もが無料で使用することができるのを知っている方は多いと思います。

図書館を建設するための費用やそこで働く職員のお給料、書籍の維持費と購入費、水道光熱費など回収できない費用はその設備を運営している市区町村が100%負担することになるのです。

市民会館で劇場が併設されているような施設では、利用希望者に利用代金を払ってもらうことによって地方自治体の負担を軽くしているのです。

その施設にかかる経費が100であるとして、施設使用料が40あれば残りの60を地方自治体が負担することになるでしょう。

地方自治体の財源は無尽蔵ではないので、それほど必要ではない公共施設を数多く建てた自治体は経済的に破綻することにもなりかねません。

指定管理者制度とは

指定管理者制度とは

公共施設の運営は地方自治体の職員が直接行なっていると考える人も多いかもしれませんが、実際には民間の団体が代行しているものが多い現状です。

公設民営」(法人組織の民営化・民営化)のアイディアは小泉内閣以降日本で急速に推し進められてきましたが、これに伴って「地方自治法」も一部改正され、2003年(平成15年)6月13日に公布、同年9月2日に施行されました。

これによって、それまでは地方公共団体あるいはその外郭団体に限定されていた公共施設の管理・運営を営利企業や財団法人、市民グループなどが代行できる「指定管理者制度」と呼ばれる便利なシステムができあがったのです。

地方自治体と民間企業が連携して公共サービスを提供するスキームは「PPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ)」と呼ばれており、「東急コミュニティー」などが効率の良いサービスを提供しています。

「東急コミュニティー」がこれまでに管理運営を担当してきた公共施設には「渋谷区文化総合センター大和田」や「川崎市市民ミュージアム」「千葉市科学館」「横浜人形の家」などがあります。

これらは民間で培ったノウハウを最大限に活用しながら、自治体のイメージと収益アップを図ることができる優良施設と言えるでしょう。

あきる野市の公共施設にかかったお金

公共施設は住民の血と汗の結晶とも言える税金を使って造るわけですから、本来は収支決算をすべて透明化して住民がいつでもアクセスできるような状態にしておくのが本筋です。

東京都あきる野市では公共施設にかかったお金をすべてホームページに掲載していますので、施設の費用がどのくらいかかるのかを具体的に見ることができます。

音響の良さと新鮮なデザインで評価の高い「秋川キララホール」は平成元年(1989年)にオープンしたホールで、オーケストラ演奏からソロまで幅広く対応できる設備としても人気です。

702名収容できるこのホールにかかった建築費用は約17億円であり、平日(全日)14万円、土・日及び休日は18万2,000円でホールを貸し出している他、リハーサル室も数千円で貸し出しを行なっています。

収支のほうはどうなっているかというと、平成26年度で見た場合は施設の総コストが約3億7,000万円、収入総額がおよそ2,200万円ですから差し引いて約3億5,000万円があきる野市の負担分ということ。

減価償却や修理などで収支金額は毎年かなり変化がありますが、ホールの運営にはかなりのお金が必要なことが分かります。

【施設情報】

地域貢献にも役立つ山梨県立図書館

地域貢献にも役立つ山梨県立図書館

公立の図書館というのは無料で図書の貸し出しを行なう場所ですので、公立のコンサートホールのように使用料金を取ることもなく、基本的に収入はゼロになります。

ですから、自治体の住民の払った税金を用いて建設を行ない、図書館の運営も税金ですべてまかなっていくことになるのです。

山梨県立図書館を例に見てみましょう。

音響にこだわりを持ち、「賑わい」と「静謐(せいひつ)さ」と相反する2つの機能を追求したこの図書館は、地域住民からも高い評価を受けており、年間来館者数も90万人以上と県立図書館来館者数としては全国2位を記録しています。

商業施設などとは違い、金銭的な利益をダイレクトに上げることはできませんが、山梨県の文化的イメージを維持するのに大きく貢献していることも確か。

年間日照時間が日本最多という地の利を活かした太陽光発電を設置するなど、省エネ対策を採用しているのもポイントです。

「モーツァルトアンサンブルオーケストラ公演」や「子どもの読書オープンカレッジ」など様々なイベントも開催しており、誘致力のある図書館として地域貢献にも役立っています。

【施設情報】

道路建設に使われるガソリン税

道路建設に使われるガソリン税

公共施設とは、何もコンサートホールや図書館などの建物だけではありません。

道路や橋などのインフラ資産も住民が生活をしていく上でなくてはならない施設です。私たちの払う税金はこういったところにも有効に使われています。

道路を作るためにかかる費用は、ガソリン税(揮発油税及び地方揮発油税)や自動車重量税でまかなわれていることをご存知でしょうか。

ガソリン税は本来、1Lあたり28.7円の「本則税率」が課されていましたが、道路整備費用の不足ということで1974年(昭和49年)度から特別措置が取られ、25.1円の「暫定税率」が上乗せされるようになりました。

つまり、私たちは今1Lあたり53.8円のガソリン税を払っています。

自動車の燃費は年々良くなっており、ガソリンの消費量は減少の傾向にありますが、それでも世帯あたりの年間のガソリン消費量は554Lですから、554L×53.8円=29,805.2円のガソリン税を払っている計算です。

沖縄県に関しては「沖縄の復帰に伴う特別措置に関する法律」第80条3項というものが存在しており、これによってガソリン税が1Lあたり7円軽減されていますが、それとは別に「沖縄県石油価格調整税条例」というものがあり、1L1.5円を徴収しているので結局7-1.5=5.5円の軽減ということになるでしょう。

税金のずさんな使い方に対する批判も

税金のずさんな使い方に対する批判も

公共施設は住民が払う税金によって造られるわけですが、施設を建設する際に住民全員の承諾を取るようなことはしません。

ですから、施設を新しく建築することや建て直しをするような場合には住民の投票によって選ばれた政治家たちの良識と正確な判断が必要となるわけです。

自治体によってはあまり住民の利益にならないような施設や設備にお金を使い、批判されているケースも多少見かけられます。

例えば1984年(昭和59年)にオープンした保養施設「伊勢志摩いこいの村大王」は約23億6,000万円の巨額を投じて建設されましたが、営業が不振で2001年(平成13年)にはついに営業を停止。結局大王町が10万5,000円という金額で2002年(平成14年)に買い取りました。

公共施設だからといって無計画に巨額を投じ、大切な税金を無駄にしてしまったわけですが、このような例は日本全国に山ほどあります。

公共施設に使うお金はお役所のものではありません。

お役所は住民の血税を「預かって」いるだけなのですから、お金を使うときは最後の1円まで大切に使ってほしいものです。

もっと活用したい公共施設

もっと活用したい公共施設

公共施設の中には一般に知られていない優れた設備が整っているところもたくさんあり、スポーツ施設もそのひとつです。

私営のスポーツジムやプールに通おうと思うと、入会金だけでも数万円かかるところが少なくありません。その点、公共のスポーツ施設であれば1回数百円で利用することができます。

特におすすめなのは、越谷市とさいたま市の間に位置する「しらこばと水上公園」です。

海のない埼玉県に建設されたこの水上公園には、オーストラリアからわざわざ運んできた白い砂を敷きつめた人工ビーチがある他、「スライダープール」や温水ジェットが楽しめる「ジェットプール」、1時間に1回、15分間波が起こる「さざなみプール」など公立とは思えないほど楽しめます。

入園料は大人が720円小学生・中学生が210円小学校就学以前は無料)とかなりリーズナブルに設定されています。

設備にお金をかけても、これだけ楽しくて入場者も多ければトータルで見て採算が合うのでしょう。しらこばと水上公園に来る人たちが周辺のガソリンスタンドやレストランで落とすお金も見逃せません。

私たちの払う税金がどんなところに使われているかはみんなでしっかりと見張っていかなければならない問題です。

これからはもっと公共の施設を上手に利用すると良いのではないでしょうか。

【施設情報】

まとめ

まとめ

公共施設の中には思いがけず多彩なメリットを擁しているものもたくさんあります。

せっかく税金を払っているのですから、温泉地などに行くときも、まず公共の宿を探してみるのもいい方法なのではないでしょうか。安い料金でリゾート気分を存分に味わえるところがたくさんあります。

公共の宿はただ安くて食事などが充実しているだけではなく、部屋にいながら絶景を満喫できるロケーションであることが多いのが特徴です。

※この記事は、2018年3月時点の情報に基づいて作成されています。

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