「生活インフラ」ってどういう意味?
「インフラ」という言葉は、インターネットが普及する1990年代後半ごろから、様々なメディアで広く取り上げられるようになりました。今回ご紹介する「生活インフラ」は、様々なインフラの中でも、特に私たちの生活に関係が深いインフラのことを指します。
生活インフラだけでなく、インフラの意味や語源をはじめ、その種類やどんなときに必要なのかなどを解説していきましょう。インフラや生活インフラの意味や役割を正しく知って、ニュースの理解を深めたり、自分の生活に役立てたりしてみて下さい。
インフラとは何か
そもそも「インフラ」とは、infrastructure(インフラストラクチャー)の略語です。infraは「下に」を意味する接頭語であり、structureという言葉は「構造」を意味するため、infrastructureは元々日本語で「下部構造」や「下支えをするもの」などを意味する言葉でした。
その元々の意味から転じ、現在「インフラ」は、生活や産業の基盤になる公共施設や道路、通信などを指し、いずれも「社会全体で共有しているもの」という点で共通しています。インフラは、社会資本や社会基盤、また、産業基盤などと換言することも可能です。
インフラの種類
インフラには様々な種類があり、例えば、交通に関するインフラは、「交通インフラ」や「交通基盤」と言い換えることができ、実際の施設としては、道路や鉄道、港湾などが挙げられます。
その他、ダムや下水道や上水道など水に関する施設、電気を使用する際に必要な送電網や、インターネットの利用に不可欠な通信に関する施設などもインフラ。その他にも、公園や学校をはじめ、病院や福祉施設などもインフラに含まれます。
インフラのその他の意味
元々は「社会で共有しているもの」を指す言葉でしたが、そこから意味が転じて「会社内で共有するもの」の意味でも使用されるようになりました。例えば、会社内のインターネット環境を整備する場合に、「社内の通信インフラを整備します」というように使うことができるのです。
インフラの整備が必要になるのはどんなときか
各種インフラの整備が必要になるのは、新しい社会基盤が必要になる場合や、既存の社会基盤を修復しなければならない場合などです。それぞれの例を挙げて、詳しく説明していきます。
新しい社会基盤が必要になる場合
例えば、電気自動車の例を考えてみましょう。従来の自動車はガソリンを給油することによって走行が可能でしたが、電気自動車は充電することによって走行が可能です。
ガソリンを給油できるガソリンスタンドは国内に普及していますが、電気自動車を充電できる充電器(EV充電器)はガソリンスタンドに比べるとあまり設置されていません。つまり、ガソリンに関するインフラは整備されている一方、EV充電器のインフラの整備は十分ではないのです。
今後電気自動車の台数が増えていった場合には、電気自動車のための充電インフラをより整備させる必要があります。
既存の社会基盤を修復する場合
大きな震災が起こり、地割れや土砂崩れなどで道路交通に支障が発生した場合、普段の通行はもちろんのこと、人命救助や物流にも影響が出てしまいます。そのため、早急に交通インフラを復旧(整備)させる必要があるのです。
インフラを復旧させる場合、復旧前の状態に戻すだけでなく、安全面や機能面、利便性、効率性などについて改善を目指して再整備されることもあります。
生活インフラとは
生活インフラとは、様々なインフラの種類の中でも特に「毎日の生活を支えてくれているもの」のこと。生活の基盤や生活の基本、生活の土台などと言われることもあり、ときに「生活必需品」を意味することもあるのです。特に日常生活に必要となるインフラは「ライフライン」と呼ばれ、「電気」、「ガス」、「水道」、「通信関係」、「交通関係」の5つが該当します。
いずれも私たちの生活に深く関係していて、震災や事故などがあって普段通り使えなくなってしまうと、とても不便になってしまうものばかりです。
生活インフラその1「電気」
電気は、水力や風力、火力、原子力など様々な方法で発電され、そこから送電線を経て、私たち一般家庭へと届けられます。電気がなければ、明かりやエアコン、冷蔵庫などの電化製品を使うことはできません。また、スマートフォンやパソコンの充電もできなくなってしまいます。
電力にトラブルが起こる原因の多くは、送電線の不具合。そして、この送電線の不具合は、震災や落雷などの自然災害をはじめ、カラスやヘビなどが原因で起こります。しかし、日本では送電線の不具合による大規模な停電はほとんど発生しません。
これは、日本では電気の需要と供給を常に監視し、制御するシステムが24時間稼働していて、ひとつの送電線でトラブルが起こっても、他の送電線に影響が出ないように電力インフラが整備されていることが理由に挙げられます。
電力の自由化
従来は、地域に応じて決められた電力会社からしか電気を購入することができませんでした。しかし、2016年(平成28年)4月から電力が自由化されたことによって、従来の電力会社に加えて新規参入した電力会社からも電気を購入することが可能になったのです。
電力自由化によって、プランや価格も幅広くなり、ガスと電気や通信サービスと電気など、他のサービスとセットで契約できるプランなどもあります。今までよりも電気代が安く済む可能性もあり、これを機に事業者を変更したい場合には、自宅での生活を振り返って、電力会社や契約プランを検討してみましょう。
生活インフラその2「ガス」
ガスは、コンロや給湯器を使用する際に必要なエネルギーです。ガスには大きく2種類あり、一般家庭では都市ガス、またはLPガスを使用している場合がほとんどとなっています。それぞれの違いを見てみましょう。
都市ガス
都市ガスの原料は、メタンと呼ばれる燃える気体が主な成分になっている「天然ガス」か、LNGと呼ばれる、海外輸入の「液化天然ガス」が大半です。
都市ガスそのものに匂いはありません。しかし、ガス漏れにすぐに気が付けるように、匂いが付けられています。都市ガスは、道路の下に埋められているガス管を通じて、一般家庭に供給されているのです。また、都市ガスの原料である天然ガスは、-162度で液体になる性質を持っています。
また、都市ガスは従来大手のガス会社が独占して販売していましたが、2017年(平成29年)の4月から自由化され、その他のガス小売事業者も販売できるようになり、一般家庭でも都市ガスを購入する事業者を自由に選ぶことができるようになりました。
LPガス
LPガスの原料は、LPGと呼ばれる「液化石油ガス」。液化石油ガスの主成分は、プロパンやブタンなどで、液化石油ガスも大半を海外から輸入しています。LPガスは空気よりも重たく、-42度で液体になるのが特徴です。LPガスはボンベに入れられ、そのボンベを事業者が一般家庭に配送します。
生活インフラその3「水道」
日本の水道には、上水、中水、下水の3つの種類があります。それぞれの特徴を確認してみましょう。
上水
上水とは、飲める水を運ぶ水道のことで、一般的な水道水は上水に当たります。上水の水源は、湖や川、ダム湖水をはじめ、井戸水などです。水源から一般家庭に水が届くまで、色々な種類の殺菌処理が行なわれているため、上水からは大腸菌や有害物質などは検出されません。
中水
中水は、お手洗いや工業用用水として再利用される水で、飲むことはできません。水源は主に雨水や工業用水などです。トイレの排水が再利用される場合もありますが、感染症予防のために、再利用時には特別な配慮が必要となります。
下水
下水は、雨水をはじめ、洗濯や調理などによって家庭から出る生活排水、事業所の産業排水などを集めて処理を行なったあとに、公共用水域に排出する仕組みのことを指します。
生活インフラその4「通信」
スマートフォンやパソコン、タブレット、ゲームなど電話やインターネットを使用する場合、電話回線や通信回線、無線などが必要になります。
通信インフラがきちんと整備されていないと、電話やメールをはじめ、ラジオ、テレビ、ネットでの動画視聴、ゲームの通信対戦などを利用することができません。
通信インフラの整備はなぜ必要なのか
通信回線は目に見えないため、イメージしづらいものですが、道路と自動車に例えて考えてみましょう。通信回線が道路、通信機器が自動車だとします。自動車の台数に対して道路の本数が少なければ、すぐに渋滞してしまいますし、道路が目的地まで続いていなければ、目的地に辿り着くことはできません。
通信回線と通信機器でも同じです。通信回線が少なければ通信速度は遅くなり、通信回線が届かない場所では通信ができないため、快適に通信機器を使用するためには、通信インフラの整備が重要になります。
家庭や会社だけでなく、駅や空港、ショッピングモールやカフェなど様々な場所や地域で公衆無線LANサービスが提供されるようになっていますが、これは、通信機器の普及に合わせて、様々な場所で通信インフラが整備されてきたからなのです。
生活インフラその5「交通」
交通インフラには大きく4つ、道路・鉄道・空港・港湾がありますが、いずれも人流・物流共に重要です。道路や鉄道は日々の通勤や通学に欠かせません。都心の主要な道路や鉄道は、1日の内にたくさんの自動車や電車が往来するため、摩耗していないか、老朽化していないかなど、点検を含めたインフラの整備が必要になります。
空港や港湾は国内だけでなく、国外の人流・物流に関与する重要な交通インフラです。空路や水路を安全に運転できるかを、機体や操縦士の状態などより慎重に、また幅広く整備する必要があります。
※この記事は、2018年8月時点の情報に基づいて作成されています。
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