テレビ局の照明スタッフの概要と年収
テレビ局では、テレビ制作の裏方として多くの制作スタッフが働いていますが、照明スタッフはどのような仕事を担っているのでしょうか。
単に照明スタッフは出演者やセットを照らすだけという仕事ではなく、ライトを当てることで番組を演出する役割を持っています。
テレビ局の照明スタッフの中でも、テレビ局の社員は狭き門であり、採用されても必ずしも、照明スタッフになれるとは限りません。
照明スタッフの仕事の概要や年収、照明スタッフになる方法などについて紹介します。
▼ 目次
テレビ局の照明スタッフの仕事概要
テレビ局の照明スタッフは、テレビ番組の制作現場でテレビディレクターの番組制作の世界観に合うように、複数のライトを使って、セットや出演者などを照らす役割を持つ職種。
テレビ局の撮影スタジオは、外部から光が入らない設計となっているため、テレビ番組の制作に照明スタッフは欠かせない存在です。
照明スタッフはスタジオで、報道番組やバラエティ番組、音楽番組などの収録に携わる他、中継やドラマなどのロケでも活躍しています。
テレビ局の照明スタッフは、単にライトで明るく照らすだけではなく、光で喜怒哀楽を表現したり、季節や時間といった情景を表したり、音楽番組では、光に色や模様を付けるなど、番組に合わせた照明による演出を行なう仕事です。
照明によって、テレビ画面に映る色合いにも違いが出ます。
照明スタッフの仕事は、まず、テレビディレクターと打ち合わせを行ない、番組制作の方針や要望、セットや出演者の位置などを確認。
そして、使用する照明器具などを決め、「エレベーション」と言われる照明プランを作成します。
番組収録前には機材のセットを行ない、本番中は照明プランに沿ってライトを当てながら、セットや出演者に影ができないかモニターで確認し、調光卓を用いて光の強さの調整を行なう流れです。
照明スタッフは、複数名でチームを組んで番組の制作にあたっています。
テレビ局で働く照明スタッフの就業先
テレビ局で仕事をする照明スタッフは、テレビ局の社員はほんの一握りであり、多くは番組制作会社や照明専門の制作会社などのスタッフです。
テレビ番組の制作では、テレビプロデューサーが番組ごとに照明スタッフなどの外部スタッフを集めて、制作チームが作られることが一般的。
ライティングディレクターをテレビ局の社員が務めて、その下に番組制作会社の照明スタッフが付くケースも多いです。
番組制作会社や照明専門の制作会社の照明スタッフは、正社員や契約社員、アルバイト、業務委託など、雇用形態は様々となっています。
制作会社の規模にもよりますが、未経験でアルバイトとしてスタートし、数年の経験を積んだあと、社員として採用されるケースも少なくありません。
また、制作会社で経験を積んだあと、フリーランスとして独立し活動する人もいます。
テレビ局の照明スタッフの年収
テレビ局で仕事をする照明スタッフの年収は、所属する会社による違いが大きいのが特徴です。
大手キー局の社員は初任給が25万円前後あり、30代で1,000万円を超えることも少なくなく、高水準となっています。
一方、番組制作会社や照明専門の制作会社で就業している照明スタッフは、年収相場は、300~600万円程度。
初任給は15万円程度の会社が多く、30歳で年収500万円位が目安になります。アルバイトの場合は、時給1,000円程度です。
フリーランスの場合、1回の収録のギャラは人によって大きな差があります。
テレビ局の社員以外で照明スタッフとして大きな収入を得られるのは、フリーランスの照明スタッフで人気のある人くらいなのが実情です。
テレビ局の社員として照明スタッフになるには
テレビ局の照明スタッフは、照明や音声、カメラ、VE(ビデオエンジニア)など、他の職種と一括して、技術部門の社員として新卒の採用が行なわれるのが一般的です。
そのため、テレビ局の技術部門の社員として採用され、入社後に照明スタッフの配属の希望を出していても、希望通りの職種に配属されるとは限りません。
ただし、他の部署を経験したあと、数年後に照明を担当できるケースもあります。
テレビ局の採用試験は、4年制大学卒業以上の学歴を必要とするところがほとんどであり、技術部門は理系学部の学生の応募に限定しているテレビ局が多いです。
ただし、理系学部に募集を限定しているケースでも、専攻は問われません。
テレビ局によっては、インターンを実施したり、テレビの制作技術や放送技術などの講習や実習を受講できるスクールを開催したりしています。
採用の一環として実施されているものと、採用とは無関係とされているものがありますが、参加することで実際のテレビ番組制作の現場を知る機会に得られるのは大きなメリットです。
技術部門に限らず、テレビ局の社員の募集は採用枠が少ないのに対して、応募者が多いため、狭き門となっています。
番組制作会社などの照明スタッフになるには
番組制作会社や照明専門の制作会社で就業する照明スタッフになるのに、特別な資格は不要です。
採用の際の学歴要件は会社によって違いがあり、高専や大卒以上とする会社もあれば、高卒以上とする会社もあるなど様々。
映像や芸術関係の専門学校の照明スタッフを養成するコースで修業し、テレビ局の照明スタッフを目指す人も多く、有利な面もあります。
しかし、未経験で照明に関する知識がまったくない状態で採用を行ない、一から仕事を覚えられる会社もありますので、高卒で照明スタッフを目指すことも可能。
また、照明スタッフの求人では、普通自動車運転免許を取得していることが応募条件とされることが多いです。
放送関係の専門学校では、機材の扱い方をはじめ、電気に関する知識を身に付けられる他、スタジオやライブホールで照明の実習を行なうことができます。
第一線で活躍する照明のプロの指導を受けられるなど、実務に関連する知識を身に付けておくことが可能です。
照明スタッフに関連する資格として、公益社団法人日本照明家協会による「照明技術者技能認定」があり、資格を取得することで、スキルを証明するアピール材料になることがメリットになります。
テレビ局の照明スタッフは下積みが必要
テレビ局で仕事をする照明スタッフには、大きく分けて3つの役回りがあります。
ひとつ目は、フロア担当で、照明器具の設営やスポットライトの操作を行なう仕事です。
新人スタッフは、先輩のアシスタントをしたり、機材の使い方などを教わったりしたあと、フロア担当からスタートすることが一般的。
2つ目は、ライティングセカンドディレクターと言われ、照明器具を点灯するタイミングを見計らってスイッチを入れたり、調光卓を使って明るさの調整を行なったりするなどオペレーションを担う仕事になります。
3つ目のライティングチーフディレクターは、照明プランを作成するなどデザイナー的な仕事も担う、照明演出の監督とも言える立場です。
一般的には、現場の動きを把握したあとにフロア担当になり、ライティングセカンドディレクター、ライティングチーフディレクターへとステップアップしていきます。
テレビ局のスタッフとして一人前になるには10年程度掛かるとされ、下積みを必要とする仕事です。
テレビ局の照明スタッフに向いている人
テレビ局の制作の現場は、テレビディレクターや多くの技術スタッフが関係しているため、コミュニケーション能力や交渉能力が高いことは必須です。
照明スタッフには、テレビディレクターの指示の意図を読み取る力も求められます。
また、電気や照明に関する知識があるだけではなく、豊かな感性を持ち、芸術的なセンスも必要。
例えば、テレビディレクターから「秋の空」を表現するように求められたら、照明で表現できるような感性がある人に向いています。
テレビや舞台などを見て学ぶことも、照明技術の向上には必要ですので、芸術的なものが好きな人に適性がある仕事と言えるでしょう。
ただし、色彩や色調といった芸術的なセンスだけではなく、電気などに関する知識を身に付ける必要があります。
実際の業務においては、目で見たときの光の色合いと、撮影した画像の色合いの違いを熟知し、波長の特性に関する知識を身に付けることも必要です。
さらに、照明の機材を運んだり、撮影スケジュールによっては早朝や深夜の収録も発生したりするため、体力があることもテレビ局の照明スタッフには求められます。
テレビ局の照明スタッフのやりがい
テレビ局の照明スタッフは、テレビディレクターの番組制作方針や要望に添う必要がありますが、ライティングディレクターとして照明プランを作ることができるクリエイティブな仕事です。
例えば、ライティングによって、ドラマの出演者の感情が伝わりやすいシーンが完成すると、かかわったスタッフのひとりとしてやりがいを感じることができるでしょう。
また、視聴者がザッピングしているときに、どの番組を選んで視聴するか、テレビ画面に映し出される色合いも影響するため、「視聴者に選ばれる番組づくり」は照明スタッフにとっても気概にしていることです。
他の人にはできない、自分らしい照明の色を作ることを目標に、業務に励む照明スタッフもいます。
担当する番組が視聴者から、「あの番組良い」と評価されることはあっても、「照明がいい」と言われることは考えにくく、照明スタッフは縁の下の力持ち的な存在。
照明スタッフとして影ながら貢献し、自分の参加した番組が視聴者の目に触れたり、人気番組にかかわれたりすること自体もやりがいにつながります。
また、テレビディレクターなどに、撮影終了後に照明の出来栄えを褒められるときも、照明スタッフがやりがいを感じられる瞬間です。
※この記事は、2018年1月時点の情報に基づいて作成されています。
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