ミニFM局を作ってみよう
日本では数多くのラジオが放送されていて、スマホやタブレットのアプリで聴取できる手軽なコンテンツです。移動中や自宅のリラックスタイムなど、いろいろなシーンでBGMとして楽しめます。リスナー参加型の番組も多く、メールやSNSが採用されたり電話で出演したりすることも可能です。
ラジオが好きな人は、「自分でも放送してみたい」と憧れたことはありませんか?ラジオDJになる夢を実現できるのがミニFM局です。個人で開局できるラジオ局のことで、オリジナルの番組を作って放送できます。
ミニFM局の開局は勝手にできないのでは?と不安になるかもしれませんが、ミニFM局は免許がなくても放送できるラジオ局です。必要な設備を整えれば、すぐにでも放送を始めることが可能。
そこで今回は、ミニFM局について詳しく解説していきます。どうして免許がいらないのか、必要なものや開局方法、どんな内容を放送するのかなど順を追って疑問を解消していきましょう。ミニFM局の開局に興味がある人はぜひ参考にしてみて下さい。
ミニFM局は自分で開局できるラジオ
ミニFM局は個人で開局できるラジオ局です。総務省による免許や登録を受けずに開局できるのですが、そのためには条件が指定されています。ミニFM局は発する電波がとても弱い無線局に該当しますが、具体的にはどういうことなのでしょうか。ここでは、ミニFM局が免許不要で開局できる理由や、守らなければならないこと、コミュニティFMとの違いについて解説していきます。
ミニFM局は微弱無線局の規定を守るのが鉄則
無線局を開局するときに免許が必要かどうかは、ある地点に届く電波の強さを表す電界強度で判断されます。免許が不要となる基準は電波法施行規則(第6条)によって次のように決められているのです。
- 無線設備から3m離れたところの電界強度が定められたレベル以下のもの。電界強度の測定については告示された方法とする。
- 無線設備から500m離れたところで、電界強度が200μV/m以下のもの。「免許を要しない無線局の用途ならびに電波の型式及び周波数」に告知されているもの。
- 標準電界発生器やヘテロダイン周波数計、その他に測定用小型発振器
ミニFM局は、発する電波が極めて弱い「微弱無線局」なので、規定を守らなければいけません。
ミニFM局は免許がなくても放送できるラジオ局
ラジオのような無線局を開局するためには、総務大臣の免許や登録を要するのが一般的な手順ですが例外が存在します。総務省によって免許や登録が不要な無線局が指定されていて、該当するのは次の無線局です。
- 発する電波がとても弱い「微弱無線局」
- 市民ラジオのような無線局
- 小電力を特定の目的で使用する無線局
ワイヤレスマイクや模型などの無線のように、発する電波が極めて弱い無線装置を使うもの。
周波数帯が26.9~27.2MHzで、総務省令で定められた型式や周波数の電波を使うもの。空中線の電力が0.5W以下で、技術基準の適合証明を受けた無線設備を使う無線局。
コードレス電話やワイヤレスカードシステムのように特定の目的があり、空中線の電力が1Wで総務省に定められた電波や無線設備を使う無線局。他の無線局を妨害しないもの。
ミニFM局は発する電波がとても弱い「微弱無線局」のため、免許がなくても開局できるのです。
コミュニティFMとミニFM局の違い
ミニFM局よりも大きい規模となる地域で放送するFM局がコミュニティ放送局です。放送エリアは市区町村単位となっていて、地域に関する情報を届け地域活性化のコンテンツとして利用されています。
コミュニティFMとミニFM局の大きな違いは、規模だけでなく免許の要否。ミニFM局が免許不要なことに対して、コミュニティFMは総務省の各地区総合通信局による無線局免許が必要です。また、平時には番組制作負担を考慮して、一部に衛星放送の再送信を利用できる点もミニFM局と異なります。
またコミュニティFMは、災害時に地域に情報を伝えるツールとしても活用されているのです。例えば、ラジオ石巻では東日本大震災の際に情報を発信し地域住民のために役立ちました。現在もTwitterと連動し、地域のイベント情報や災害情報を届けるなどしています。
ミニFM局の仕組みを解説
ミニFM局は免許がなくても開局できることが分かりましたが、どうやって放送されるのでしょうか。ここでは、個人が発した情報がどこまで届くのか、どんな仕組みで流れていくのか詳しく解説していきます。
また、「ミニFM局に興味があるものの何を放送したらいいか分からない」という人のためにプログラムを紹介。実在するミニFM局で放送されている内容もチェックしていきましょう。
ミニFM局の電波はどうやって出すの?届く範囲は?
ミニFM局はステレオ送信機を通して微弱電波を発する仕組みです。室内などで送信機の周りに電波を飛ばす場合は、アンテナを接続して対応します。ただし、ミニFM局は電波法の規定を守ることが重要です。
使用機器によっては法定外となる可能性があるので注意しましょう。例えば、サービスエリアが最大で半径50mのFMステレオ送信機を使う場合、アンテナを高くしすぎると微弱電波無線として定められた範囲を超えてしまうのです。
アンテナから送信された電波は、距離が離れていく程弱くなっていきます。どれくらいの距離まで届くかは、アンテナの性能や障害物によって変わるので一概には言えません。また、受信する側のFMチューナーによっても届く範囲は変わってきます。
自分でミニFM局を開局したらどんな放送をしたらいいの?
個人で開局するミニFM局は、自分で放送したい内容を流すことができます。例えば、趣味の話や専門知識の披露、アマチュアバンドを組んでいたらライブの宣伝をするのも可能です。ブログ感覚で日々の出来事を語ることもできます。
個人で開局するだけでなく、ミニFM局は多方面で活用できるコンテンツです。学校でミニFM局を開局する場合は、校内に放送を届けられる特性を活かすのがポイント。サークル活動の案内や、学園祭のお知らせ、運動会の実況など幅広い場面で利用できます。
地域で開局するのもミニFM局を活用する方法のひとつ。道の駅で商品案内や観光情報を流したり、サービスエリアで渋滞情報を届けたりするのに便利です。町内のイベントや防災情報にも活用できます。ただし、音楽を利用するときは注意が必要です。著作権が消滅したものや条件を満たした作品を選びましょう。
ミニFM局で放送している内容の実例を紹介
どんな放送内容にするか迷ったときは、実際に放送されているミニFM局を参考にするのもおすすめです。ニッポン放送プロジェクトで開局したミニFM局放送局は、スポーツイベントで活用されています。
会場内の導線に合わせて微弱電波を発するアンテナを設置し、放送ブースから実況や解説を放送する仕組み。会場内で放送するため、イベントを盛り上げたりインフォメーションとして役立てたりするのに効果的です。
また、災害時には臨時放送局として役立てることができます。東日本大震災が発生した際に開局したのが臨時災害FM。放送業務をしたことがない自治体の職員や住民たちによって情報が伝えられました。範囲が狭い分、密な情報を届けられるのがミニFM局のメリットです。
ミニFM局を開局するには何が必要?
ミニFM局の特徴や放送について分かったら、いよいよ開局です。どんなことに注意したらいいか確認していきましょう。ミニFM局の開局に必要なものは、送信機やアンテナといった機材、音声を出力するためのマイクやマイクミキサーです。
ミニFM局をこだわりの機材で作りたい人は、電波法の規定内で放送できるようにするのがポイント。手軽にミニFM局を開局したいという人には、必要なものがそろったキットがおすすめです。自分に合ったものを選んで放送を楽しみましょう。
微弱電波の規定を守る方法
ミニFM局を放送するためには、微弱無線設備から3m離れたところの電界強度が定められたレベル以下でなくてはいけません。具体的な数字にすると次の通りです。
周波数帯が322MHz以下
電界強度は毎メートル500μV/m。
周波数帯が322MHzを超え10GHz以下
電界強度は毎メートル35μV/m。
周波数帯が10GHzを超え150GHz以下
電界強度は次の式で求められる値になる。
3.5×fμV/m以下(fはGHzを単位とし、500μV/mを上限とする。)
周波数帯が150GHzを超えるもの
電界強度は毎メートル500μV/m。
簡単にいうと、アンテナから3m離れたところで調べた電波の強さが500μV/m以下なら規定内ということになります。規定外の無線設備を使ったことが影響して、消防無線や航空無線に実害が発生しているため機材選びが重要です。
違法品に注意!合法な無線機の見分け方
総務省では、無線設備の試買品を使ったテストを実施しています。2018年(平成30年)9月に「電波法に基づく免許等が必要な無線設備」が公表されました。微弱電波の規定内として販売されている無線設備を購入して行なわれたもので、該当するものを使うと無線局の免許が必要ということになります。
合法な無線機を見分けるには、技適マークがあるかどうかがポイント。電波法令の技術基準を満たした無線機には技適マークが付けられています。分からないときは、販売店で「技適マークがある無線機はどれですか?」と聞いてみるのがおすすめです。
また、日本には電波適正利用推進員が活動しています。自分の持っている無線機が規定内のものか判断できない場合は推進員事務局に相談してみて下さい。
ミニFM局を開局するために必要なもの
ミニFMを始めるには機材が必要です。電波を発するための送信機類と、音声を出力するためのマイク類を用意します。また、個別に選ぶのが難しい場合は、必要なものがそろったミニFM開局キットがおすすめです。
- FM送信機・アンテナ
- マイク・マイクミキサー
- ミニFM局開局キットを利用すると便利
ミニFM局から微弱電波を流すにはFMステレオ送信機が必要。周波数が事前に設定されており、パソコンに接続するだけでマイクを使ってそのまま開局できる送信機も発売されています。アンテナ内蔵タイプも多く、開局費用をリーズナブルに済ませたい人に向いているでしょう。
ラジオの放送には音声出力するためにマイクが必要です。複数本のマイクを使う場合は、ミキサーを使ってみましょう。マイク入力する端子が少なくても、ミキサーを接続することができればマイクの本数を多くできます。電池式のものなら場所を選ばずに使えて便利です。
機材がそろっているセットを探している人には、ミニFMの開局キットがおすすめ。ミニFM送信機、マイク、マイクスタンド、ケーブル、ミキサーなど必要なものがそろっています。
※この記事は、2018年9月時点の情報に基づいて作成されています。
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