テレビ局の「編集」と「編成」の違い
テレビ局の仕事の中でも、混同されてしまいがちな「編集」と「編成」。
大きく仕事内容や役割が異なりますが、「編集」と「編成」の違いがよく分からないという人が多いのも事実です。
「編集」はひとつの番組やVTRの放送する部分だけをつなぎ合わせたり、テロップなどを入れたりする仕事。一方、「編成」はテレビ局のタイムテーブルなどを決める仕事です。
そこで、意外に勘違いしている人が多い、「編集」と「編成」の違いや仕事内容などについて解説していきましょう。
大きく意味が異なる「編集」と「編成」
テレビ局の仕事で「編集」と「編成」は混同されることがありますが、仕事内容は大きく異なります。
「編集」は、ひとつのテレビ番組や番組内で使用するVTRを作るため、映像素材から必要な部分のみをつなぎ合わせ、テロップやイラスト、効果音などを入れる仕事。テレビ局で「編集」の仕事は、制作局が担当しています。
一方、「編成」は、視聴率を獲得するために、どの時間帯にどういった番組を放送するのかタイムテーブルを決定し、番組の制作費を分配したり、予定通りに番組が放送されるようにサポートを行なったりする仕事で、テレビ局では「編成」の仕事は、編成局の担当です。「編集」との違いをしっかり認識しましょう。
テレビ番組が作られる流れは、制作局がテレビプロデューサーを中心にテレビ番組の企画を立案し、企画会議などが開かれたあと、編成局の承認が得られると、番組制作がスタート。
制作局でテレビプロデューサーが出演者や制作スタッフ、予算分配、制作スケジュールを決定します。
そして、番組制作の現場ではテレビディレクターが指揮を執り、番組の収録が終わると、アシスタントディレクターや映像編集者と編集作業が行なわれる流れです。
テレビ局の「編成局」の仕事とは
テレビ局の編成局は、放送する番組の内容と品質に責任を持つ部署です。
編成にかかわる仕事は大きく分けて3つあり、ひとつ目は番組編成のタイムテーブルを考える仕事。
編成局では、全時間帯に放送する番組を決定する役割を担っていますが、放送枠ごとに視聴する人の属性や他社を含めた視聴率の分析を行ない、客観的なデータに基づいて放送する番組のタイムテーブルを決定しています。
放送枠ごとに、自社で番組を制作するか、映画や海外ドラマを購入する、あるいは、地方の系列局の場合はキー局の番組を放映するといったことを決めるのも、編成局の役割。番組の制作費も編成局が管理して、品質を確保して視聴率につながるように、効率的に配分しなければいけません。
2つ目は、テレビ番組やCMが放送事故を起こさずに、タイムテーブル通りに放送されるように、放送運行を行なう仕事。
3つ目は、テレビ番組ごとの広告戦略やPRを展開する宣伝の仕事です。この他に、「アナウンス部」も編成局に所属していることもあります。
テレビ局で「編成」の仕事に就くには
テレビ局の編成の仕事に就くには、大手キー局や準キー局、地方の系列局など、テレビ局の社員として新卒採用試験を受ける方法があります。
テレビ局の多くは、4年制大学卒業以上の学歴を持つことが採用の条件です。
学部や学科の指定はなく、文系理系は問われません。ただし、テレビ局の社員は人気が高く、応募者が多いため、狭き門となっています。
また、編成として単独で採用枠が設けられているわけではなく、「放送総合部門」や「一般コース」といった形で総合職として選考が行なわれることが一般的。
編成を希望していても必ずしも希望が通るとは限りませんが、他の部署を経験したあとに、編成局に配属されるケースもあります。
テレビ局で編成の仕事に就きたいのであれば、まずは、採用試験に合格することがスタートなので、エントリーシートをはじめ、筆記試験や面接試験への万全の対策が必要です。
テレビ局によってはインターンに参加すると、選考に有利になるのでできるだけ参加しましょう。
テレビ番組の「編集」の仕事の流れ
テレビ番組の編集の仕事には2種類あり、ひとつはバラエティ番組などを収録した映像素材を放送時間に合わせて編集する仕事、もうひとつは報道番組などで使用されるVTRを作成する仕事です。
バラエティ番組などの場合、番組の収録が終わると、テレビディレクターは収録素材をパソコンに取り込んだあと、オフラインと言われる仮編集を行ない、番組で使う部分の映像をつぎはぎしていきます。
実際にテレビの放映で使う映像の編集作業を行なうのは、映像編集者の仕事。テレビディレクターの指示に基づいて、ハードディスク上で映像をつなぎ合わせて、テロップやイラストを重ねたり、背景音などの音響を加えていったりします。
これが番組編集の流れとなるため、頭に入れておきましょう。また、アシスタントディレクターも出演者の名前のミスなどがないか、チェックするなど、編集業務に帯同するケースが多いです。
報道番組の場合も、記者やカメラマンの撮影した映像を映像編集者が、テレビディレクターや記者の指示で編集を行なったあと、VTRとして放送。報道番組の編集は、放送の当日行なうことが特徴です。
オンエアの1時間前に素材が届くこともありますが、間に合うように作業を終わらせなければなりません。
短時間でいかに良いものを作れるかが勝負。通常、1分の映像のために、1時間の作業時間が必要とされるほど緻密な作業です。
バラエティ番組も、報道番組も放送時間は決まっているので、どのような状況下であっても、オンエア時間に間に合うように編集作業を終わらせることが求められます。
テレビ番組の映像編集者になるには
テレビ番組の映像編集者になる方法には、テレビ局の社員になる方法と番組制作会社で働く方法があります。テレビ番組の社員として映像編集者になるためには、採用試験で技術職として採用されることが必要です。
また、テレビ局では映像編集者として単独の職種での採用は行なっておらず、技術職のひとつとして募集されているケースが見られ、必ずしも映像編集者の職種に就けるとは限りません。
テレビ局の採用では4年制大学卒業以上の学歴が求められる場合が一般的です。
番組制作会社の映像編集者になるには、映像やメディア、デザイン関係の専門学校や大学で学び、映像編集ソフトが使えるなど一定のスキルを身に付けると有利になります。
ただし、学歴を不問とする求人もあり、illustratorやPhotoshopなどが使えれば、未経験で知識がなくても、働きながら仕事を覚えていくことも可能。
採用試験を受ける際には、自主制作作品を応募時に添えるなど、アピール材料を用意しておきましょう。
テレビ番組の映像編集はハードか
テレビ番組の映像編集は、放送時間に必ず間に合わせる必要があります。映像素材の状態や作業量から機材に負荷がかかり、機器に故障などのトラブルが生じた場合などであっても、納期を守ることは必須です。
納期が短かったり、機材などにトラブルが生じたりした際には、厳しいスケジュールになることも少なくありません。
また、放送時間よりも多くの時間が編集には必要ですが、限られた時間で密な作業を行なうことが求められる仕事となります。
また、映像編集に関連する機材や編集ソフトは進化しているため、多忙な業務の合間を縫って、新しい知識や技術を身に付けていくことが必要。
仕事を一度覚えたら終わりというわけではなく、常に新しいソフトの操作方法などを覚えていかなければならない点などにも、テレビ番組の映像編集者の大変さがあります。
テレビ番組の映像編集に向いている人
テレビ番組の映像編集は必ず納期に間に合わせることが求められる仕事なので、適切に判断し、迅速に作業を進めていく能力が求められます。
特に、報道番組のVTRの編集では、番組の放送直前の作業になる場合もあり、短時間でより良いものを作るには、時間感覚が大切。また、細かい緻密な作業が主になるので、そのような作業が得意な人に向いていると言えます。
映像編集者は、テレビディレクターなどの指示を受けて、映像の編集を行なわなければなりません。そのため、抽象的な指示であっても、意図を汲むことのできるセンスが重要。
一方で、受け身の姿勢ではなく、より良い番組作りのために、自分の意見も伝えられるようなコミュニケーション能力も求められる仕事です。
自分の意見を言うためには、担当する番組で扱う内容について、情報収集を行なうことが必要であり、自主的に仕事に取り組む姿勢も求められます。
良い映像にまとめていくためには、日頃からテレビをはじめ、映画などの映像に関心を持ち、視聴することも大切。
テレビや映画などの映像作品が好きな人は、テレビ番組の編集という道を選択肢に入れてみましょう。
テレビ番組の映像編集のやりがい
テレビ番組の映像編集は、自分が編集としてかかわった映像が、テレビを通して多くの人に見てもらえることにやりがいを感じられる仕事です。自分が編集した番組や映像が、多くの人に感動を与えることもあります。
テレビ番組の映像編集者はディレクターの指示に基づく必要がありますが、自分の意見も伝えて、自分の世界観を活かした編集が行なえたときは、やりがいにつながりやすいことが多いのも特徴。
また、納期に追われる仕事なので、短い作業時間の中であっても、良い番組やVTRにまとめられたときには、達成感が感じられます。
テレビ番組の映像編集者は、番組制作の最後の作業を担当しているので、編集の腕が番組のでき映えに、大きく影響するといっても過言ではありません。
まとめ
テレビ局で編集の仕事がしたい場合には、テレビ局も番組制作会社も就職先の選択肢になります。一方、編成の仕事がしたい場合には、テレビ局への就職を目指しましょう。
実際には、テレビ局に入社できたとしても、編集や編成の仕事に必ず配属されるとは限りません。
ただ、テレビ局の仕事は他にもいろいろあるため、希望の職種に就ける可能性を探りながら、他の職種への配属になったとしても、与えられた仕事を楽しめることも、適性のひとつと言えます。
※この記事は、2018年1月時点の情報に基づいて作成されています。
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