小学校とは?公立と私立の違いなどを解説
小学校とは義務教育を行なう学校のひとつで、初等教育を主に行なう機関です。6年間通う小学校の形態は、公立だったり私立だったりと、学校により様々です。こちらの記事では、「小学校の成り立ち」「小学校で学ぶ科目」「公立と私立のメリットとデメリット」など、小学校に関するポイントをまとめてご紹介します。子どもにとって義務教育の最初の学び舎となる小学校。この記事で小学校を深く知り、入学準備の参考にしてみて下さい。
小学校の成り立ち
小学校は、初等教育を行なう教育機関です。我が国の初等教育はどのように成り立ってきたのでしょうか?
我が国の初等教育は江戸時代に整備されています。当時は、幕府や全国にある藩が領内で運営していた学校や寺子屋や私塾など。これらの学び舎が明治時代になり、近代教育制度を整える際に学校のベースとなっていったのです。
藩校はのちの中学校や高等学校に、寺子屋はのちの小学校に、私塾はのちの私立学校へとそれぞれ変化し、作られてきた現在の学校。明治時代にはまだまだ小学校の校舎が足りず、一部の小学校は寺院や民家の建物を借りて授業を行なっていました。
本格的な小学校の設置が始まったのは、1879年(明治12年)に発行された敎育令の発布でした。敎育令により、各町村に小学校が設置され、1882年(明治15年)から全国で敎育が統一化されたのです。当時は尋常小学校と呼ばれ、下等4年、上等4年の計8年間を小学校で学んでいました。
その後、大正時代や昭和時代の戦争を経て、平成、令和へと時代が進みます。その間、何度も小学校の制度や教育内容は見直しされました。より時代に即した敎育を受けられるように変化し続けて現在に至ります。
義務教育を行なう小学校
小学校は、憲法第26条に基づいて国民が等しく教育を受ける権利を守るために設置されている教育機関。自分の子どもが一定の年齢に達したときに、普通教育を受けさせるのが親の義務です。
憲法第26条の他にも、教育基本法第4条で国民が保護している子女に9年間の普通教育を受けさせる義務があると明記されています。普通教育を受けさせる義務の他、義務教育では授業料を無償で行なうという制度の根拠になっているのが憲法第26条と敎育基本法第4条です。
基本的には小学校への就学は満6歳から満12歳まで。満6歳の誕生日以後に最初に来る4月1日に小学校へ入学することがほとんどです。ただし、病気や発育不全などやむを得ない理由がある場合は、就学の義務が猶予や免除されることもあります。
義務教育の学習内容は、国が定めた学習指導要領という基準によって決められています。学習指導要領に基づいて、どのような敎育を行なっていくか決めるのは各小学校の校長になります。
入学前に準備する物
小学校に入学する前に何を用意すればいいのかご存知ですか?小学校入学前に準備する物をご紹介します。
まず、教科書や筆記用具を持ち運ぶために使用するランドセル。今は赤と黒だけなく様々な色やいろいろなデザインの物が販売されています。子どもが背負ったときにぴったりと背中にフィットしているか、実際に背負ってみて確認するのがおすすめ。また、6年間使う物なので、頑丈さはもちろんポケットや開けやすさなどの使い勝手も重視して選びましょう。
「ラン活」という言葉があるほど、親が力を入れてランドセル選びをする時代です。4~5月ごろに販売予約が始まり、9~10月ごろには販売終了するところもあるので気に入ったランドセルが購入できるよう、事前準備が大切です。
学校によっては、ランドセルの色やデザインの指定がある場合もあります。もし個性的なモデルのランドセルを購入する予定があるときは、事前に小学校で使えるか確認しておくと安心です。
ランドセルなどにセットしていざという時に使用するのが防犯グッズです。防犯ブザーを選ぶときは、目立つ色の物、子どもが使いやすい物を選びましょう。地域によっては、新1年生には無料で配布されるエリアもあります。
また、鉛筆などの筆記用具も用意しておきましょう。鉛筆は転がりにくい六角形のタイプがおすすめです。鉛筆の芯の濃さは学校によって指定がある場合があるので、事前に確認しておきましょう。濃さややわらかさがちょうどよく書きやすいのが2B。鉛筆になれないうちは芯の消費が多かったり、無くしてしまったりするので最初は多めに用意しておきましょう。また、2Bの鉛筆をきれいに消すことができる消しゴムも必要です。
学校によっては、キャラクターがプリントされているのを禁止しているところもあるので、確認してから購入すると良いでしょう。
小学校に入学してから増えるのが、使用するアイテム。すべてに名前を書くのも大変なので、名前シールは事前に用意しておくと便利です。サイズが異なる名前シールと、シールが貼れない物のためにネームペンを用意しておきましょう。
小学校で学ぶ教科
小学校で学ぶ教科のご紹介です。国が決めた学習指導要領に基づいて、小学校は敎育内容を編成。教科とは、社会で求められる能力をもとに教育目標を定め、目標を達成するために作ったいくつかのまとまりを指します。
小学校で学ぶ教科
2008年(平成20年)に改訂された学習指導要領では現在の小学校で児童が学ぶ教科が定められ国語、社会、算数、理科、生活、音楽、図画工作、家庭、体育の9教科と、それらに加えて道徳、外国語活動、総合的な学習の時間、特別活動があります。
文部科学省は2020年(令和2年)度から小学校プログラミング教育を必修として全面実施する予定で、プログラミング教育の全面実施に向けて、文部科学省や総務省、経済産業省が協力し「小学校を中心としたプログラミング教育ポータル」などのホームページを作成し、情報の共有化が進められています。
どのような教科書を使っているのか?
教科書の正式名称は「教科用図書」。教科書は小学校で教科を教えるために主に使われ、文部科学大臣によって検定、合格した教科書を使用するのは各学校の義務です。
いくつかの出版社から発行されている教科書ですが、どの教科書を使うか選ぶことが「採択」です。採択は、公立小学校では地域を所管している教育委員会が担当し、国立や私立の小学校では校長に選択の権限があります。
教科書は、国公私立問わず義務教育中の全児童に対して提供され、費用は無償。1963年(昭和38年)に始まった無償給与という制度に込められているのは、児童が国民としての自覚を深め、教科書で学んだことで将来国に貢献してほしいという願い。また、無償給与により各家庭で教育費を軽減できます。
公立小学校と私立小学校を選ぶメリットとデメリット
小学校に進学するときに迷うのが公立小学校と私立小学校どちらを選ぶか。それぞれの違いは運営の母体や教育内容です。こちらでは公立小学校と私立小学校の違い、選ぶ際にどういうポイントを重視すれば良いのかをご紹介します。
公立小学校と私立小学校の違い
公立小学校と私立小学校の違いは、その運営母体の違いです。公立小学校は市区町村が運営。私立小学校は個人や法人の寄附財産などによって運営していることが多く、私立学校法に基づき自主性が尊重されますが、同時に公共性にも配慮するように求められています。
公立小学校と私立小学校の大きな違いに、学校教育費の違いがあります。2016年(平成28年)に文部科学省が子どもにかかる学習費を調査しました。それによると、1年間にかかる子ども1人あたりの学習費の総額は、公立小学校は約32万2千円、私立小学校は約152万8千円となっており、学校教育費は公立小学校で約6万円、私立小学校で約87万円でした。
公立小学校の学校教育費を分析すると一番割合が多いのが「図書・実用品・実習材料費等」(31.7%)。一方私立小学校の学校分析費を分析すると一番割合が多いのが「授業料」(53.0%)という結果でした。私立小学校は学校教育費の半分以上を授業料が占めるという結果となっています。
公立と私立のメリットとデメリット
公立小学校のメリットは、小学校の周りに住む児童が入学するので、その地域の友達が作りやすいということ。また、公立の小学校は学区で通う学校が決まるため、家から近くなじみのある道を通って通学することができます。
公立小学校には様々な環境の児童があつまるので、バラエティ豊かな友人と交流することができます。また、公立小学校は授業料や教科書代は無償なので、学校教育費が抑えられるのもポイントです。将来の高等学校や大学への進学を見越し、学校教育費を貯蓄していくこともできます。
公立小学校に勤務する教員は、公務員のため一定の期間で転勤することがあります。そのため、校長が変わると学校の教育方針やスタイルもガラッと変わってしまうことも。
私立小学校のメリットは、教育方針が一貫していること。学校により校風は違いますが、公立の小学校と違い校長が変わったからといって教育方針が大きく変わることがないのが安心できるポイントです。
また、系列の中学校や高等学校、大学がある私立小学校はそのまま進学していくこともできるので受験の心配もありません。同じ系列なので、校風や学びたいことがマッチしていれば小・中・高・大と一貫した教育を受けることができます。
私立小学校は一般的に公立小学校よりも学校教育費がかかるので、将来の進路を見越したマネープランを計画することも大事です。
小学校の主な行事
小学校では、特別活動として教科以外にも様々な活動(行事)を行なっています。行事はクラス単位のものから、学年や学校全体で行なうもの、父母や家族も参加できる行事も。こちらでご紹介するのは、小学校の行事の一部です。
文部科学省は学校行事を5つのグループに分類しています。具体的には儀式的行事、学芸的行事、健康安全・体育的行事、遠足・集団宿泊的行事、勤労生産・奉仕的行事などがあります。
クラスの行事(学年行事)
クラスや学年ごとに行なう行事として行なわれるのは、遠足や修学旅行などの遠足・集団宿泊的行事。遠足・集団宿泊的行事では、普段学んでいる学校から離れることで、いつもとは違った体験や学びをすることができます。
全体行事
小学校の児童全体で行なう行事もあります。全体行事では儀式的行事である始業式や終業式など。儀式的行事は学校生活において、児童に学期ごとの節目や厳粛な気持ちを感じてもらうためのものです。
親や家族も参加する行事
小学校の行事で、親や家族が参加できる行事も多数あります。入学式や卒業式などの儀式的行事や、学芸会などの学芸的行事、運動会などの体育的行事などが主な行事です。また、家族は授業参観や、学級懇談会などで子どもの普段の様子を見ることも。
いずれの行事も、児童たちは事前に練習を重ねて本番で練習の成果を発表するので、両親や家族は、児童の学校での様子を見ることができたり、行事で時間を共有することで良い思い出を残したりすることができます。
放課後のクラブ活動や学童保育について
小学校から始まるのが、授業が終わった放課後に活動が始まるクラブ活動への参加。また、仕事で帰りの遅い両親が利用できる、放課後に児童を預かる学童保育という制度。こちらではクラブ活動や学童保育についてご紹介します。
小学校のクラブ活動とは?
小学校では、運動部などのクラブ活動は実は学習指導要領には定めがありません。教育課程外の活動として、各学校により活動の規模や内容が変わっています。
小学校で行なわれるクラブ活動は学校によって様々です。スポーツ系では野球、サッカー、バスケットボール、陸上、卓球。文化系ではブラスバンド、美術、パソコン、家庭科クラブなどです。傾向としては、児童の数が多い学校ほどいろいろな種類のクラブ活動を実施しています。
小学校によっては、顧問となる教員の負担軽減や放課後を補習に当てるためにクラブ活動を廃止する動きもあります。放課後、児童に運動などの活動をさせたくても、小学校がクラブ活動を行なっていない場合は、地域のスポーツクラブなどを探して参加する家庭が多いです。
学童保育について
学童保育とは、正式名称は「放課後児童健全育成事業」で、厚生労働省が管轄しています。保護者が日中仕事などで家庭にいない児童に対して、授業の終了後に行なわれている保育事業です。
学童保育は日本が締結している「児童の権利に関する条約」第18条に基づいて行なわれています。設置や運営は各市区町村、社会福祉法人などが行ない、主な保育場所は学校の空き教室や学校内にある専用施設、学校外の児童館などです。
学童保育の事業内容は、いくつかの目標があります。児童が遊びを通じて自主性や社会性を養うことがひとつ。健康を管理することや、安全を確保することも重要なポイントです。また、児童が放課後にどういう活動をしているか把握して、家庭へ連絡する業務も。最後に、児童が家庭や地域で遊べるような環境作りも行なっています。
学童保育の利用申込み方法や、施設の情報は運営している団体によって違います。各自治体の窓口や放課後児童健全育成事業として自治体に届けのある民間施設にお問合せ下さい。
※この記事は、2019年(令和元年)11月時点の情報に基づいて作成されています。
※当サイトは原則「リンクフリー」といたしております。








