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ラジオのスイッチを入れて、周波数を合わせて耳を傾ける…。ラジオ視聴を楽しむ際の、独特の儀式です。FMやAMなどといった種類は、どうしてあるのか疑問に思ったことはないでしょうか。今回は、そんなラジオの「しくみ」について、焦点を当てて解説します。ラジオ放送の概要や歴史などにも触れながら、ラジオを受信するしくみ、周波数の種類などを順番に説明。最後に、ラジオ放送の役割についてもまとめていますので、ぜひ最後までご覧下さい。

益子 ヒロシと広川 ふみ
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2019年1月29日

【ラジオのしくみ】ラジオの受信と周波数

【ラジオのしくみ】ラジオの受信と周波数

ラジオ放送を聴く際、AMかFMかを選びます。この2種類の違いはなぜあるのか説明できる人はそう多くないでしょう。ラジオ放送を楽しむときに何気なく行なっているこの「周波数を合わせる」という行為も、どこかアナログ的で味があります。

テレビやインターネットなど、新しいメディアがどんどん普及していく中で、ラジオ放送に時間を割く人は少なくなりつつあるのが現状です。

しかし、阪神大震災や東日本大震災では、そのシンプルな構造と携帯性の良さから、災害時の情報源としてその役割が見直されています。また、聴きながら作業ができるという他のメディアにはない特性もあり、ラジオ放送には今でも根強いリスナーがいることも特徴です。

今回は、ラジオのしくみにスポットライトを当て、ラジオの受信と周波数について解説します。ラジオ放送の概要や歴史にも触れながら解説していくことによって、ラジオのしくみをより深く理解できるような情報にまとめました。

最後まで読み進めることで、FMやAMの違いも理解できるとともに、ラジオ放送の役割も確認できますので、ぜひ最後までご覧下さい。

ラジオ放送の概要

ラジオ放送の概要

まずは、ラジオ放送の基本から説明します。ラジオ放送のしくみと周波数、受信機についての基礎知識を確認しましょう。

ラジオ放送のしくみ

ラジオ放送は、各ラジオ局のスタジオに備え付けられたマイクを通じ、音声を電気信号に変えて、基幹局である放送タワーに送信されます。

放送タワーに送られた電気信号は、電波に乗せて直接各ラジオに届けられると同時に、無線回線を通じて中継局となる放送タワーにも同じ情報を送信。中継局の放送タワーも、各ラジオに直接電波に乗せて電気信号を届けます。

このように基幹局から中継局の放送タワーを通じて、広い範囲でラジオ放送を届ける、というまでの一連の流れがラジオのしくみです。

各世帯にあるラジオは、基幹局または中継局の放送タワーが流している電波を受け取り、電気信号から音声を再現しています。このように、ラジオ放送には、放送タワーが必要不可欠です。

ラジオの受信周波数による種類

ラジオの受信周波数には3種類あり、放送の種類としては4種類あります。それぞれについて順番に見ていきましょう。

【中波(AM)放送:526.5kHzから1606.5kHz】

1925年(大正14年)3月に放送開始された日本初のラジオ放送は中波放送(以降AM放送)です。電波法施行規則第2条により定められた周波数で、音声、音楽などのその他音響を放送しています。AM放送の特徴は以下です。

  • 振幅変調(Amplitude Modulation)による放送
  • 放送される音の範囲:100~7,500Hz
  • 電波の到達範囲:海外にも届く場合がある程広い
  • 回路構成:電源なしでも聞こえる程単純(例:鉱石ラジオ)
  • 混信:雑音として聞こえる

人間が聞ける音の範囲は約20~20,000Hzですが、AM放送はそれよりは狭い範囲の音を放送しています。回路構成は単純で、電源が不要な鉱石ラジオでも聞こえるため、特に災害のときに助かる特長です。

電波の到達範囲は広く、海外にも電波が届きます。逆に海外の放送も日本で受信できる場合も。混信で、よく分からない外国語が聞こえてくる、という経験をした人も多いのではないでしょうか。

【超短波(FM)放送:30MHz以上】

1957年(昭和32年)にモノラル放送が開始、1963年(昭和38年)にステレオ放送が開始された、雑音がなく音域の広い放送が超短波(FM)放送(以降FM放送)です。FM放送の特徴は以下のようにまとめられます。

  • 周波数変調(Frequency Modulation)による放送
  • 放送される音の範囲:50~15,000Hz
  • 電波の到達範囲:数10~100kmと中程度の範囲
  • 回路構成:デジタル受信機に比べれば単純
  • 混信:放送波が強い場合は影響小

音域が広くて高品質の放送が可能な反面、電波の到達範囲がAM放送より狭いという特徴もあります。

【短波放送:3MHzから30MHz】

1954年(昭和29年)から放送開始されている周波数です。その大きな特徴は、なんといっても非常に広い範囲に届き、全世界に放送を届けられる点でしょう。短波放送は、国際電気通信条約により定められた周波数帯(バンド)により構成されています。短波放送を受信するためには短波対応のラジオが必要です。

【コミュニティ放送:30MHz以上(FMの周波数を利用)】

FM放送の周波数を利用して、市区町村が地域に特化した放送を行なっています。これをコミュニティ放送と呼び、1992年(平成4年)に制度化された、比較的新しい放送形態です。一般的なラジオで受信できるため、災害時の情報提供源としても期待されています。

ラジオの受信機

昔はとても高価だったラジオの受信機。ラジオ放送開始のころから今日までどのような発展を遂げてきたのでしょうか。第二次世界大戦中までと戦後に分けて簡単に解説します。

【ラジオ放送黎明期~戦中まで】

ラジオ放送が始まった当時、受信機は電源を必要としない鉱石ラジオが中心でした。鉱石ラジオは電源が要りませんが、受信にはレシーバーが必要で、多くの人と一緒に聴くには不便です。

海外から輸入されていた真空管式のラジオは、スピーカーから聴こえるので多くの人が聴けるというメリットがありました。しかし非常に高価で、当時の価格は小さな家が1軒買える程だったそうです。

この状態が改善されたのは1928(昭和3)~1931年(昭和6年)ごろで、一般の家庭からも電源が採れるようになってから、国内生産による低価格化も相まって、爆発的な広がりを見せます。1931年(昭和6年)にはリスナーは100万人を突破し、庶民の生活に溶け込んでいきました。

さらにスピーカーとの一体化により小型化したラジオですが、ここからは技術的にしばらく発展のない時期が続きます。戦争に入り、海外放送が受信禁止されていたため日本で高性能なラジオが求められなかったという時代背景の影響が大きかったためです。

【戦後以降】

戦後、GHQの民主化政策の一環として、ラジオは増産されました。それまで禁止されていた短波放送の受信も可能になり、全波受信可能なスーパーヘテロダイン方式のラジオが急速に広まっていきます。

敗戦直後、日本のラジオは欧米のラジオに比べて10年遅れていると言われていました。しかし、進駐軍としてアメリカ兵が持ち込んでいたラジオの修理などを通し、日本の技術者はラジオの最新技術を吸収していきます。

1951年(昭和26年)には、民間放送局が生まれ、多彩な放送が流れるようになるとともにラジオも普及し、戦前レベルまでに生産が回復。1950年代のラジオ全盛期を迎えるのです。このころからポータブルラジオが生産され、海外にも輸出されるようになります。

ソニーが開発したトランジスタラジオは1960年代には真空管ラジオを終焉に追い込みましたが、現在のアナログ式ではダブルスーパーヘテロダイン方式とダイレクトコンバージョン方式が主流です。

現在では、アナログ-デジタル変換回路で受信した電波を変換するソフトウェア受信機も登場。パソコンでもラジオが聴ける時代となっています。

ラジオ放送の歴史

ラジオ放送の歴史

ラジオ放送はどのような形で日本に広まっていったのでしょうか。世界初のラジオ放送、日本初のラジオ放送、現在のラジオ放送を順番に追うことで、歴史の流れも整理していきます。

ラジオ放送が始まる前

無線による音声の受発信を成功させた人は、カナダ人のレジナルド・フェッセンデンです。1900年(明治33年)に、無線電話の実験に成功した後も研究を重ね、1906年(明治39年)には、世界中に向けてクリスマス・イブの実験放送を発信し、これも成功を収めます。なかなか気が利いている実験放送で、クリスマスのあいさつや聖書朗読、クリスマスキャロルの生演奏と、現代でも通じるような放送でした。

フェッセンデンの放送成功以降、世界中でラジオ放送の実験が始まり、ラジオ放送を開始する下地が整っていったのです。

世界初のラジオ放送

世界初の商業ラジオ放送は、1920年(大正9年)にアメリカ・ピッツバーグのKDKA局で始まりました。このときの放送はAM放送です。

商業FM放送が登場するまでには、さらに時間が必要でした。アメリカのエドウィン・アームストロングが、振幅変調式のラジオ放送を開発した後に試験放送を繰り返し、1938年(昭和13年)にW2XMNにて商業放送を開始します。

日本初のラジオ放送

日本で初のラジオ放送が始まったのは、1925年(大正14年)のことです。1923年(大正12年)に発生した関東大震災により、無線による放送の必要性を主張する声が高まり、1925年(大正14年)3月22日に東京芝浦の仮放送所から、試験放送が開始されました。

7月までには大阪・名古屋でも放送が開始されましたが、1年後には逓信省の指導によりこれらの放送局が統合されて(社)日本放送協会となり、今のNHKが誕生しました。

現在制定されている「放送記念日」は、東京芝浦からの試験放送が始まった日、3月22日に制定されています。

現在のラジオ放送

現在、ラジオ放送は以前に比べてリスナーが減少傾向で、特にAM放送ではその傾向が顕著です。総務省が2016年(平成28年)にまとめた「ラジオ放送事業者の経営概況とラジオにおける新しい動き」によると、AMのみの放送局は、1993年(平成5年)から比較して、半分以下にまで売上高が減少しています。

FM局はAM局に比べると、近年は少し回復基調です。欧米では日本のように極端なラジオ離れはありません。ラジオ離れは日本の大きな特徴とも言えます。

一方で、ラジオ放送における新しい動きとして、FM放送によるAM放送の補完やデジタル放送の開始、携帯端末でのラジオ放送受信などがあります。ラジオのインターネット配信も開始。今後もラジオ放送の特性を生かしながら、ラジオ放送は続いていくことが期待されます。

ラジオ放送の種類

ラジオ放送の種類

ラジオ放送の周波数と歴史について説明しましたが、それぞれの種類の特徴と代表的な放送番組などを紹介します。

中波放送(AM)

放送内容の特徴としては、トークを中心として、音楽なども時々流すという形式が多く見られます。代表的な番組は、NHKラジオ第一の「ラジオ体操」で、ラジオ放送が開始された3年後となる1928年(昭和3年)から放送されている番組です。トーク番組では、ニッポン放送の「オールナイトニッポン」も外せません。

短波放送

世界中にも放送できる超広範囲なラジオ放送である短波放送ですが、日本国内では、放送しているラジオ局は2局しかありません。国内全国放送では日経ラジオ社の「ラジオNIKKEI」、国際放送がNHKの「NHKワールド・ラジオ日本」です。

超短波放送(FM)

音域がAM放送に比べて倍ぐらいあり良質な音を届けられるため、音楽を中心とした放送が多い点がFM放送の特徴と言えます。代表的な番組は、独特のナレーションで知られるTOKYO FMの「JET STREAM」などです。

コミュニティ放送

FMの周波数を使い、地域の情報を流す点がコミュニティ放送の特徴です。

ラジオ放送の役割

ラジオ放送の役割

現代は、ラジオだけでなく、テレビやインターネットなど多メディア時代を迎えています。このような時代におけるラジオの役割とは何でしょうか。

パーソナルメディアとしての役割

音楽や語学などの趣味性の高い番組や、ローカル色の濃い放送で、より個人に近いパーソナルメディアとして、ラジオはこれからも重要な位置を占めるのではないでしょうか。流行歌などもよりマニアックな楽曲を流し、コアなファンに愛されています。

生活におけるBGM的な役割

ラジオ最大の強みは、「ながら聴き」ができる点です。音楽も情報も聞き流しながら作業を進められるメディアはラジオ以外にはないでしょう。また、完全に静かな環境よりも少し音があった方が集中できる、というタイプの人も少なくありません。ラジオは、生活におけるBGM的な役割をこれからも果たし続ける物と考えられます。

災害時の情報源

これからさらに重要度が増していくラジオの役割としては、災害時の情報源があります。一部のAM放送事業者が、災害時の補完放送をするためにFM放送の周波数を使う方向になっているという点も新しい動きです。

※この記事は、2018年10月時点の情報に基づいて作成されています。

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