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日本では様々な場所で、歌舞伎やミュージカル、コンサートなどいろいろな公演が行なわれています。プロによる興行の他に、一般の人達による催し物が開かれることも。開催場所となる劇場やホール、会館などの施設にはどんな特徴があるか、詳しくチェックしていきましょう。

明見 マイコと深井 映一
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芸術文化を発信する劇場やホールとは

芸術文化を発信する劇場やホールとは

演劇やコンサートといったプロの公演から、地域の発表会まで幅広い公演を開催する施設には、劇場ホール会館などがありますが、どのようなところなのでしょうか。基本的な情報だけでなく、魅力や今後の在り方などについてもご紹介します。

劇場・ホール・会館の基本情報

劇場・ホール・会館の基本情報

まずは、劇場・ホール・会館の基本情報について確認していきましょう。日本にはどれくらいの施設数があるのか、設置者ごとの状況についても詳しく解説します。

文化会館が有しているホールの数

劇場・ホールなどを有し、様々な催し物が開催される施設のことを総称して「文化会館」「文化センター」などと呼ぶことが多いです。文部科学省が実施している2010年(平成22年)度の社会教育調査によると、全国で稼働している文化会館のホール数は2,131となっています。席数別では、300席以上500席未満629、500席以上750席未満536、750席以上1,000席未満267、1,000席以上564です。

都道府県別の所有数は、東京都の126が最も多く、次いで大阪府と福岡県の77、さらに埼玉県の76、北海道の74と続きます。ひとつの会館がいくつのホールを所有しているのかという統計では、1ホール所有が1,355と圧倒的に多く、2ホール440、3ホール55、4ホール以上は14という結果になりました。

国公立の文化会館の活動状況

文化庁では委託事業として、劇場やホール、音楽堂などの活動状況について調査を行なっています。2017年(平成29年)1月20日~2月17日に行なわれた調査結果を見ていきましょう。

劇場やホール、音楽堂などの文化会館は、誰が設置運営しているかによって、国公立と私立に分けられます。国や地方公共団体が設置運営しているものが国公立、民間が設置運営しているものが私立となります。

国公立の文化会館を設置している団体のうち70%以上が、人口30万人に満たない市や特別区、町村です。最も多いのが市や特別区(10万人未満)で30%以上を占める結果となりました。座席数では、500~1,000席未満の施設が41.3%、続いて1,000席以上の31.2%という結果で、平均座席数は832席です。

利用日数平均は248.1日で平均稼働率78.1%、最大席数のホール単体では平均稼働率53.3%でした。また、直営と国立などを合わせた事業収入は平均1,161万1千円で、国以外の事業収入平均は1,000万円未満です。

国公立施設主催による年間事業本数は平均10.9本。音楽ジャンルが5.3本と半数を占める結果となっています。年間の平均入場者・参加者数は7,556人で、そのうち音楽ジャンルが3,726人です。主催事業は増加傾向ですが、文化庁関係からの補助金や企業の協賛金を受けているケースが多く見られており、予算確保と人材不足が運営の課題となっています。

私立の文化会館の活動状況

私立の劇場やホールなどの設置者は、営利法人が67.7%、非営利法人が21.5%です。1ホールのみ所有している館が86.0%で、3ホール以上の所有は3.5%となっています。所有するホールのなかで、最大のホール席数を調査したところ、1,000席以上が17.5%、500~1,000席未満が36.8%、500席未満は45.6%という結果に。国公立の文化会館と比較して小規模ということが分かります。

運営に関して、施設自体または関係する組織が主催事業を行なっている施設は全体の46.2%を占めており、施設貸しのみを行なっているのは33.8%。運営方針を策定している施設が半数以上となっています。

また、40.0%強の施設が専門的な人材を充足できていると回答。確保されていない施設では、管理運営や企画制作、マーケティング、舞台技術の人材が不足しています。

利用実績を見てみると、2017年(平成29年)度の利用日数平均は248.4日で平均稼働率74.4%、最大席数のホール単体では平均稼働率69.5%です。前年度よりも30.0%以上増加した館が多く見られました。事業収入は平均2億2123万1千円で、国公立施設よりもかなり高い結果となっています。

主催公演事業の年間平均は61.8件で、演芸37.9件、演劇13.7件と続く結果に。年間の平均入場者・参加者数は53,676人で、圧倒的な割合となっているのが演劇の42,669人です。また、貸館事業の実施率は89.5%となっており、音楽ジャンルが71.9%と最も多く行なわれています。年間平均入場者・参加数116,213人のうち、47,537人が音楽ジャンルです。

課題となるのが職員研修。47.6%が予算や人手不足で参加できず、42.9%は参加できる講座やセミナー開催が少ないと回答しています。

劇場・ホール・会館の役割

劇場・ホール・会館の役割

基本情報を確認できたところで、続いては誕生してからの歴史を紐解いていきましょう。劇場・ホール・会館が作られた目的や、どんな役割を担っているのか解説します。

劇場・ホール・会館のあゆみ

文化会館や文化ホールとひと口に言っても、その種類は様々。管理している官庁や行政的な位置付けによっては、「文化センター」や「市民プラザ」と呼ばれることも。総称として「文化会館」が用いられています。

本格的な文化会館の誕生は1918年(大正7年)のこと。大阪府に作られた「大阪市中央公会堂」の開館がはじまりでした。1929年(昭和4年)になると、東京都に演劇や音楽公演も行なえる「日比谷公会堂」が登場します。第二次世界大戦前まではおよそ20館の施設がありましたが、当時は講演会集会のために利用されていました。

観劇音楽映画など文化的なイベントを目的とした施設が設けられたのは、戦後になってからのことです。法律の制定により、全国に公民館が設置されるようになりました。1970年(昭和45年)以降は、伝統文化や文化芸術が重要な要素に位置付けされ、ホールを持つ施設が増えていったのです。

文化芸術振興と地域文化振興に貢献

文化会館は地域の文化資源のひとつ。求められる目的は多岐に亘りますが、大きな役割が地域における文化芸術の発展や振興です。

文化芸術振興を目的とした場合、音楽や演劇など芸術のジャンルに合わせて文化施設を設計することで、新たな芸術作品を作り出すことに役立ちます。該当する芸術団体による公演やアーティスト育成への貢献も可能です。

地域文化振興では、地域住民を対象に文化レベルの育成や向上を目的としての役割を果たせます。例えば、技量が高い音楽や演劇の公演を行なうことで、人々が文化に触れるチャンスを提供。他にも、発表や交流会などの機会を提供したり、文化資源の保護に利用したり、教育普及活動にも貢献しています。

劇場やホールの形態

劇場やホールの形態

ここからは、劇場やホールについて詳しく解説していきます。施設内部はどんな形式になっているのでしょうか。舞台装置がどうやって作られているのかも気になるポイントです。

プロセニアム形式とオープン形式

劇場やホールの舞台形式には、舞台の形状や客席の配置などが異なる様々な形態があり、大きく2タイプに分けられます。ひとつめは、「プロセニアム形式」で、劇場やホールで多く見られるスタイルです。プロセニアムとは額縁という意味で、舞台と客席をはっきり区分しているのが特徴。

袖や舞台上部など客席から見えないところにセットや舞台機構を置けるので、凝った演出をしやすいのがメリット。舞台芸術だけでなく集会や式典にも使われていて、多目的な利用に対応できる形式です。

オープン形式」は、音楽ホールで多く見られるスタイルです。舞台と客席の区別が明確になっておらず、ひとつの空間に全体が入ることで一体感が生まれるのがメリット。オープン形式には、舞台から平行に客席を並べるシューボックス形式や、舞台を囲うように客席を配置するアリーナ形式、円弧を描くように客席を配置する扇型形式もあります。

客席から見えない舞台機構

コンサートやミュージカルなど、華やかな公演の裏に隠されているのが舞台機構です。ピアノなどの備品やセットの移動、緞帳(どんちょう)や背景のスクリーンを吊り下げるのに使われています。

舞台機構は下部にある床機構と上部にある吊り物機構の2種類です。例えば、舞台やコンサートで多く使われているのが床機構の「せり」。床面の一部を切り抜き、手動や電動で上下できるようにする舞台機構です。演者の登場や退場、舞台転換などに役立ちます。

空から雪が降ってきたり花びらが舞い落ちたりする演出で活躍しているのが、吊り物機構の「フライブリッジ」です。橋型の設備で人が乗って作業することも可能。照明器具も取り付けられます。

劇場・ホール・会館の未来

劇場・ホール・会館の未来

バブル期前に建設された劇場やホールは経年劣化が懸念されています。安全性を確保するためにも、計画的な改修や建替えが必要です。日本の劇場・ホール・会館の今後についてみてみましょう。

歴史的な価値がある建築物の再生

日本には古くからの歴史を持つ建物が多くあります。著名な建築家が設計した施設や地域の景観と融合したデザインなど、文化的な価値が高いことから保存を求められるケースもあるのです。

例えば、1960年(昭和35年)に建設された京都府の「京都会館」は、前川國男氏によって設計され、モダニズム建築の傑作と評価を受けていた施設です。老朽化により改修が決まったものの、既存の建物を活かしながら再生する方向で計画を策定。施設水準向上のための再整備を中心に、建替えは一部のみに留め設備の更新が行なわれたのです。また、京都市は地元企業であるローム株式会社と50年間に及ぶネーミングライツ契約を締結。2016年(平成28年)に「ロームシアター京都」として再生されました。

新しい手法を取り入れた建替え事例

東京都の「渋谷公会堂」は、2,000席サイズの多目的ホールとして、長年に亘りコンサートが開催された施設です。隣接する区庁舎を耐震化する建替えが必要になったことから、公会堂も合わせた一帯の整備が決まりました。

改修や建替えには予算確保と共に、外部資金を導入するなど手法が求められます。そこで、渋谷区は敷地の一部に定期借地権を設定し、民間資金を導入する方法を選択。建設業者が敷地内に分譲マンションを建設できるという対価を得ることで、建設費の負担を0円にしたのです。

東京都では、「豊島公会堂」も定期借地制度を活用した手法で建替えを実施。新しいホールと合わせてオフィスビルの開発を行ない、完成してからホール部分を買い取る方法です。新しい豊島区立芸術文化劇場の誕生で、地域の振興が期待されています。

※この記事は、2019年(令和元年)12月時点の情報に基づいて作成されています。

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