博物館は自然、歴史、民俗、文化に関する資料を収集・展示する施設。一方、美術館は絵画をはじめ彫刻、工芸品などの美術作品を展示する施設です。どちらも価値ある貴重な品を鑑賞することができます。なお、日本には数多くの博物館・美術館が存在しますが、展示されている作品や開催されるイベントは施設によって異なります。
「旅探たびたん」では全国にある博物館・美術館をご紹介。北海道、東北、甲信越、北陸、関東、東海、関西、中国、四国、九州地方の施設を網羅しています。施設の一覧は、アクセス数や口コミ数をもとにランキング順で表示。各施設の詳細ページでは、交通アクセスや営業時間をはじめ、入場料、団体割引といった基本情報が分かります。博物館・美術館を探すなら「旅探」がおすすめです!
博物館とは・美術館とは
博物館には、文化的に価値のある美術品から動物の標本まで、多種多様な資料が収められています。種類が豊富で、展示内容もバラエティーに富み、楽しみ方も鑑賞からワークショップまで、色々な魅力を見せてくれる博物館。一方、絵画や書画等の美術品を中心に収集・保管・展示する施設が美術館です。アートに興味のある方をはじめ、美術に詳しくないという方でも「見て・学んで・感じる」といった様々な楽しみ方があります。また美術鑑賞だけでなく、様々なイベント等も開催されており、どなたでも気軽に足を運ぶことが可能です。
今回は、そんな博物館や美術館についてまとめました。歴史や種類、楽しみ方、働き方に加え、国内のおすすめスポット等をご紹介します。
目次
- 博物館と美術館について
- 博物館の種類
- 博物館スタッフ
- 学芸員
- 修復師
- 博物館の鑑賞マナー
- 日本各地でおすすめの博物館一覧
- なまはげ館(秋田県男鹿市)
- 福井県立恐竜博物館(福井県勝山市)
- 鉄道博物館(さいたま市大宮区)
- 東京国立博物館(東京都台東区)
- 国立科学博物館(東京都台東区)
- 江戸東京博物館(東京都墨田区)
- 名古屋市科学館(名古屋市中区)
- トヨタ博物館(愛知県長久手市)
-
名古屋刀剣ワールド/名古屋刀剣博物館(名博メーハク)
(名古屋市中区) - 奈良国立博物館(奈良県奈良市)
- 京都国立博物館(京都市東山区)
- 大阪歴史博物館(大阪市中央区)
- 広島平和記念資料館(広島市中区)
- 坂の上の雲ミュージアム(愛媛県松山市)
- 北九州市立 いのちのたび博物館(福岡県北九州市)
- 九州国立博物館(福岡県太宰府市)
- 美術館の種類
- 運営主体
- 収蔵作品別
- 美術館の楽しみ方
- 美術鑑賞
- ワークショップ
- イベント
- 日本各地のおすすめ美術館一覧
- 十和田市現代美術館(青森県十和田市)
- 国立近代美術館(東京都千代田区)
- 彫刻の森美術館(神奈川県足柄下郡箱根町)
- MOA美術館(静岡県熱海市)
- 金沢21世紀美術館(石川県金沢市)
- ルーブル彫刻美術館(三重県津市)
- 国立国際美術館(大阪市北区)
- 足立美術館(島根県安来市)
- 大原美術館(岡山県倉敷市)
- タオル美術館(愛媛県今治市)
- 長崎県立美術館(長崎県長崎市)
- 沖縄県立博物館・美術館(沖縄県那覇市)
- 博物館検索や美術館検索ならホームメイト・リサーチの「旅探たびたん」
- まとめ
博物館と美術館について
博物館とは、文化的に価値のある資料や作品を収集・保管・展示する施設のこと。また、収蔵品に関する調査・研究も行っており、脈々と伝えられてきた文化的資産を後世に継承していくのも博物館の大切な務めです。
日本の博物館の歴史は古く、東大寺の正倉院が博物館のはじまりと言えます。正倉院では、1,200年以上も昔から書物や美術工芸品を収蔵していました。江戸時代には動植物や鉱物等を展示する物産展が催された記録が残っています。
日本の近代博物館のはじまりは、1872年(明治5年)の湯島聖堂で催された文部省博覧会。これはウィーン万国博覧会への出品に向けた準備のために開催されたものです。戦後になると東京国立博物館が誕生。博物館法も制定され、各地に博物館が続々と生まれました。文化庁調べによると、2018年(平成30年)には国内の博物館は約5,738館に及んでいます。
一方、美術館とは、絵画や書画等の美術品を中心に収集・保管・展示する施設。同じミュージアムに属する博物館も美術品を取り扱うのでその違いは曖昧なところがありますが、美術館の場合は美術品に特化したコレクション・展示が特徴です。
博物館とは一線を画す、近代的な美術専門の施設が誕生するようになったのは1930年代以降。1930年(昭和5年)に岡山県倉敷市に誕生した大原美術館がはじまりとされています。以降、1951年(昭和26年)に神奈川県立美術館、翌1952年(昭和27年)に東京国立近代美術館等、近代美術館が続々オープンしました。
博物館の種類
博物館には、「総合博物館」や「国立博物館」等の種類があります。これらは以下のような様々な基準で分類が可能です。
| 分類基準 | 種類 |
|---|---|
| 展示内容 | 総合博物館 人文科学系博物館 自然科学系博物館 |
| 設置・管理者 | 国立博物館 公立博物館 私立博物館 |
| 博物館法 | 登録博物館 博物館担当施設 博物館類似施設 |
| 機能 | 全機能型 保存型 教育型 研究型 リクレーション型 |
| 展示場所 | 館内展示型 屋外展示型 現地保存型 |
なかでも、最もなじみ深いのは展示内容による分類。「人文科学博物館」と「自然科学系博物館」の要素が組み合わさったのが「総合博物館」です。
| 人文科学系 博物館 |
美術博物館 | 西洋美術、東洋美術、古美術、近代美術等 |
|---|---|---|
| 歴史博物館 | 歴史、民族、考古等の資料 | |
| 自然科学系 博物館 |
自然史 博物館 |
動物や植物等を展示した施設 |
| 科学博物館 | 科学技術や天文等について展示した施設 |
博物館スタッフ
博物館で働くには「学芸員」になることが必要。また「修復師」と呼ばれる職業を募集する博物館もあります。
それぞれどのような仕事なのか見ていきましょう。
学芸員
学芸員の仕事は、資料の収集や研究、展示内容の案内等。資格を取得するには、学芸員を養成する大学を卒業後、学芸員認定試験に合格する方法があります。
専門教育を受けていれば、学芸員試験の合格はそれほど狭き門ではありません。しかし、博物館に勤務するためには採用試験に合格しなければならず、国立博物館勤務を目指す場合は採用試験に加えて公務員試験にも合格する必要があります。そのため、決して平坦な道のりとは言えません。資格取得後に学芸員勤務を希望する場合、学芸員を募集する博物館を探して採用試験を受けます。
修復師
修復師とは、絵画や彫刻等の美術作品の修復を手がける職業のこと。美術修復家や保存修復師とも呼ばれます。修復師になるためには、美術やデザインを学べる大学・短大・専門学校を卒業し、修復師を募集する美術館・博物館の採用試験に合格しなければなりません。募集している施設はそれほど多くないので、採用されるかどうかは専門知識・技術に加え、経験の有無もポイントになります。
博物館の鑑賞マナー
博物館で作品を鑑賞するときには、作品に触れてはいけません。もし触れた場合、汚れがついたり、破損したりする恐れがあります。静かな環境での鑑賞を望む人が多く、大きな声での私語や、ギャラリーでの飲食もNGです。
館内に展示される資料は貴重なものばかり。展示品の損傷につながる行為も慎まなければなりません。また、カメラのフラッシュは展示品に少なからず影響を与えるとされており、写真撮影を禁止事項とする博物館があります。禁止していない施設でも、撮影可の案内、または職員へ確認したほうがよいでしょう。
日本各地でおすすめの博物館一覧
ここからは、日本各地にあるおすすめの博物館をご紹介します。
なまはげ館(秋田県男鹿市)
なまはげ館は秋田県男鹿市にある民俗博物館です。秋田名物の「なまはげ」にまつわる様々な展示。館内には、実際になまはげ祭りで使用されたお面が約150枚も並ぶ「なまはげ勢ぞろい」や、なまはげを生んだ男鹿特有の風土が分かる展示・映像コーナー「神秘のホール」、なまはげ習俗を紹介する映画を通し、伝統行事が脈々と受け継がれてきた精神にせまる「なまはげ伝承ホール」があります。さらに、本物の衣装を身につけて記念撮影できる「なまはげ変身コーナー」等、男鹿の民俗と伝統を体感できるコーナーが目白押しです。
福井県立恐竜博物館(福井県勝山市)
福井県立恐竜博物館は、恐竜に関する豊富な資料を展示した博物館。銀色に光るドーム状の建物の内部には、44体もの恐竜の全身骨格、大型復元ジオラマ、恐竜や生命、地球の歴史に触れられる資料が豊富に展示され、恐竜が生きた時代を詳しく追いながら地球の歴史、生命の歩みを学ぶことができます。関連施設の野外恐竜博物館が同じ勝山市内にあり、こちらでは恐竜化石発掘現場間近で化石発掘の疑似体験も可能。合わせて見学することをおすすめします。
鉄道博物館(さいたま市大宮区)
JR東日本の創立20周年を記念して2007年(平成19年)にさいたま市大宮区にオープンした鉄道博物館です。館内に展示される鉄道関連の資料は日本だけでなく世界もカバー。車両の実物展示の他、鉄道の原理や仕組み、最新の鉄道技術を体験する学習コーナーもあり、親子で一緒に鉄道の技術と文化、歴史を楽しく学べます。2018年(平成30年)には新たに南館もオープン。同時に本館の常設展示もリニューアルされ、より新しく充実した環境で鉄道の魅力に触れることができます。
東京国立博物館(東京都台東区)
東京国立博物館は、台東区の上野公園内にある日本最古の博物館です。縄文時代から江戸時代までの刀剣や彫刻、陶磁、美術品を展示している本館をはじめ、中国や朝鮮、インドなどの考古遺物や美術工芸品を展示している東洋館、土偶や埴輪など旧石器時代から江戸時代までの考古遺物を展示している平成館、奈良の法隆寺に関する宝物を収蔵・展示している法隆寺宝物館、イベント会場や展示会場となった際にのみ公開される表慶館、日本近代画家である黒田清輝氏の作品を展示公開している黒田記念館など5つの館からなります。国宝や重要文化財はもちろん貴重な収蔵品が約12万も収蔵されており、見どころ満載です。
国立科学博物館(東京都台東区)
国立科学博物館は、豊富な展示資料を通して科学リテラシーの醸成を目的とする科学博物館。企業や大学とタイアップしながら、各種の企画展示を催すとともに、専門的で多様な学習機会の提供に努めています。同館には様々な分野の研究者・研究機関とのネットワークがあり、研究成果の蓄積も収蔵する標本資料も膨大。これらの資源を活かして多彩な切り口から魅力ある展示が可能です。関連施設には、自然の景観と植物の魅力を味わえる筑波実験植物園、大都会の真ん中に癒やしのオアシスを形成する付属自然教育園があり、こちらも合わせて楽しめます。
江戸東京博物館(東京都墨田区)
江戸東京博物館は、江戸の文化と歴史、風俗の魅力が凝縮された博物館。1993年(平成5年)のオープン以来、東京の人気観光スポットとして多くの来館者を集めてきました。江戸400年の歴史を感じさせる実物資料や復元模型を鑑賞できる常設展を中心に、年5~6回の特別展、講座や体験教室等、様々な角度から江戸の魅力を堪能できます。同館は地下1階、7階建ての大きな建物で、1階は特別展示室、5・6階は常設展示室、7階は図書室と映像ライブラリーという構成。家族連れや団体、調査研究目的等、実に様々な目的の方が訪れます。
名古屋市科学館(名古屋市中区)
名古屋市科学館は、科学や天体、生命の神秘について学べる科学博物館。同館は「理工館」「天文館」「生命館」の3つで構成されています。
理工館には最先端科学を扱う常設展示室があり、展示を通して科学リテラシーを養う場です。天文館には、世界最大級のプラネタリウムが設置され、美しい星空に見入りながら天文知識を学ぶことが可能。生命館は生命の謎について身近な分野から地球規模のテーマまであらゆる角度でアプローチする展示広場であり、なぜ私達人間は地球という惑星で生命を育むことができてきたのか省みる良い機会が得られます。科学・宇宙・生命にどっぷり浸かれる学びの施設です。
トヨタ博物館(愛知県長久手市)
トヨタ博物館は、世界的な自動車メーカーとして知られるトヨタ自動車が創立50周年記念事業の一環で1980年(昭和55年)に設立した、自動車の歴史と文化を世界規模で紹介する博物館。19世紀末から現代にいたるまでのクルマの歴史がここに凝縮されています。館内には日米欧の代表的な車両約140台を展示。見学できるほとんどの車両は走行可能な動態保存の状態で、まさに「生きる遺産」です。実物展示の他にも、約4,000点の資料が鑑賞できる「クルマ文化資料室」があり、約800点のミニチュアカーの展示を通してクルマ文化がいかに発展してきたかを学ぶことが可能。モビリティ好きにはたまらない博物館です。
名古屋刀剣ワールド/名古屋刀剣博物館(名博メーハク)(名古屋市中区)
愛知県名古屋市中区栄に開館した名古屋刀剣ワールド/名古屋刀剣博物館(名博メーハク)は、最大200振の刀剣・日本刀の鑑賞が可能となる刀剣博物館。織田信長の実弟で茶人でもある織田有楽斎が所有したといわれる国宝の「短刀 有楽来国光」等、貴重な名刀を鑑賞することができます。刀剣以外にも、鎧兜約50領、浮世絵約150点を常設展示。
日本刀、武具、浮世絵を中心とした圧巻のコレクション群は、日本の伝統工芸・伝統美術の魅力を今に伝えています。最先端の体験メディアを複合したスペースもあり、見て学んで感じられる日本刀の博物館です。
奈良国立博物館(奈良県奈良市)
奈良国立博物館は、奈良公園の一角にある博物館で、東大寺や春日大社などに隣接しています。本館である「なら仏像館」は1894年(明治27年)に完成した奈良初の本格的洋風建築。明治中期の欧風建築として代表的なものです。奈良国立博物館は、飛鳥時代から鎌倉時代にいたるまでの仏像をはじめ、中国・朝鮮半島の仏像も数多く展示しています。
また仏画や仏の教えを記した経典、仏舎利を収納する容器など様々な美術工芸品を展示。日本の仏教美術の魅力やその背景にある歴史をより深く知りたい方におすすめ。その他にも奈良国立博物館では、子どもから大人までが楽しめる公開講座やワークショップ、各種イベントを開催しています。
京都国立博物館(京都市東山区)
京都国立博物館は明治時代に設立された由緒ある博物館。収蔵する美術品・文化財は約14,600件にも及びます。陶磁器や絵画、漆工・金工品、彫刻等、日本及び東アジアで生まれた名品の数々を展示。分野ごとにテーマを設けて企画展示されるため、陶磁器なら陶磁器展、絵画なら絵画展というようにひとつの分野をより深く堪能できます。また、年2回開催される特別展示は必見。その他、日本の石仏や朝鮮半島の石造遺品を庭園のなかにしつらえた屋外展示等、伝統美術を多様に楽しめる空間になっています。京都の神社仏閣、日本、東アジア由来の文化財に興味のある方におすすめです。
大阪歴史博物館(大阪市中央区)
大阪歴史博物館は2001年(平成13年)大阪市中央区に開館した博物館です。17世紀初頭から大阪において両替商を営んできた鴻池善右衛門家より寄贈されたコレクションをはじめ、近代を代表する工芸家・藪明山氏が手掛けた花瓶など価値のある作品が収蔵されています。またフロアごとに古代、中世、近世など時代を分けて大阪の歴史や文化などを紹介。常設展示場では、展示の内容にちなんだクイズ用掲示板が設置され、豊臣秀吉朱印や摂津国印をはじめ、大阪ゆかりのスタンプを集めて館内を回るスタンプラリーが楽しめます。
広島平和記念資料館(広島市中区)
広島平和記念資料館は、平和の尊さと戦争の怖さを学んでもらうことを目的に設立された平和博物館。原爆資料館とも呼ばれます。本館の常設展示では、「導入展示」「8月6日のヒロシマ」「被爆者」「ギャラリー」「核兵器の危険性」「広島の歩み」で構成。被爆前の広島や被爆の状況を伝え、平和の大切さを訴えかけています。展示物以外にも、被爆者の体験を聴く体験講話、平和学習講座、原爆記録映画の公開等、様々な切り口から「戦争と平和」を学べる博物館です。
坂の上の雲ミュージアム(愛媛県松山市)
坂の上の雲ミュージアムは、「司馬遼太郎」の小説「坂の上の雲」をモチーフに建設された歴史博物館。2階には小説に描かれる明治時代と関わりの深い書籍の紹介コーナー、3階には明治がどんな時代だったかを資料・映像を通して探るギャラリー、4階は小説に登場する人物たちのエピソードやゆかりの品を展示するスペースがあります。「坂の上の雲」の世界観を堪能できるとともに、日本という国がどのように近代化を成し遂げたのか、当時を生きた日本人はどのような思いで国づくりに邁進したのか、歴史を感じ、学べる施設です。
北九州市立 いのちのたび博物館(福岡県北九州市)
北九州市にある「いのちのたび博物館」は、生命の進化と人類の歴史を楽しみながら学べる自然史・歴史博物館。タカアシガニやオキナエビス等の古代生物の標本が飾られた「生命の多様性館」、化石や自然史資料を用いて生命の進化に迫る「ぽけっとミュージアム」、小学生以下の子どもを対象にした自然史や生物の歴史を学ぶ「子どもミュージアム」等、館内は多種多様なゾーンに分かれ、見る人のニーズに合った楽しみ方ができる工夫が凝らされています。子ども達に生命の神秘や地球の歴史を学んでもらいたい家族に向いた博物館です。
九州国立博物館(福岡県太宰府市)
九州国立博物館は、東京や奈良、京都に次ぐ4番目の国立博物館として福岡県太宰府市に開館した博物館です。国宝「刀 無銘則房」や国宝「栄花物語」をはじめ、重要文化財「奈良三彩壺」など貴重な収蔵品が、3階の特別展示室や4階の文化交流展示室で展示。また施設内には、体験型展示室「あじっぱ」があります。日本とつながりのあるアジア各国の楽器などが展示されているだけではなく、各国の伝統的な衣装、生活用品を見ることが可能。九州国立博物館が掲げる「日本文化の形成をアジア史的な観点から捉える」というコンセプトをもとに、常に新しい文化的景観の形成と実現に向けた情報発信をしています。
美術館の種類
ここからは、美術館の種類をご紹介します。美術館は「運営主体」「収蔵作品」の違いで分類。どのような種類の美術館があるか見ていきましょう。
運営主体
美術館の運営母体は、大きく「国立」「公立」「私立」(企業・個人)の3タイプです。
- 国立:国立近代美術館、国立国際美術館等
- 公立:十和田市現代美術館、金沢21世紀美術館、長崎県立美術館等
- 私立:ルーブル彫刻美術館、足立美術館、大原美術館、タオル美術館等
私立の美術館は、国公立と比べて料金が一律ではなく、コレクションや展示内容に高い独自性が目立ちます。
収蔵作品別
一口に美術と言っても様々なジャンルが存在。絵画・書画・水彩画・彫刻・写真・映像等、どの分野に力を入れて収集や展示に取り組んでいるのかは、美術館ごとに異なるのです。例えば、島根県の足立美術館では、絵画のうちでも日本画、そのなかでも特に横山大観の作品収集にこだわっているのが特徴。創立者である島根県安来市出身の実業家・足立全康氏のこだわりのコレクションが中心です。このように、美術館のカラーには館長や運営母体の考えが色濃く反映されます。
美術館の楽しみ方
美術館の楽しみ方は人によって様々。美術鑑賞の他、ワークショップやイベントへの参加等、学びや体験といった楽しみ方もあります。
美術鑑賞
ただ純粋に展示作品の鑑賞を楽しみたい。そんな目的で美術館に足を運ぶ方も多いのではないでしょうか。日本画から洋画、書画、水彩画、彫刻品、写真や映像作品まで、実に多彩なジャンルの作品を鑑賞できます。作家も、近現代から中世、古代まで、幅広く展示している施設も少なくありません。作家別や作品別、時代別等、様々な切り口での鑑賞の楽しみ方があります。
ワークショップ
アートを様々な観点から学べる美術館のワークショップは、国公立を中心に多くの施設で開催。例えば、東京にある国立市新美術館では、2020年(令和2年)に「地震から人と作品を守る工夫を知ろう!」というワークショップを開催しました。専門講師を招いて美術館の免震構造の仕組みを学ぶという取り組みです。このような講座に参加すると、美術館における建築の工夫への理解が深まります。
イベント
美術館では、いつ来ても鑑賞できる常設展示の他、期間限定で作品を展示する企画展示も開催。企画展示では、テーマを決めてギャラリーを構成したり、出展作品を絞ったりするケースも少なくありません。「ゴッホ展」「ピカソ展」といった特定の作家に焦点を当てた企画や、「長崎開港450周年記念イベント」のように、テーマにふさわしい作品展示を企画して、普段とは違った趣向を見せています。
日本各地のおすすめ美術館一覧
美術館は日本各地に点在。ここでは、日本の代表的な美術館をご紹介します。
十和田市現代美術館(青森県十和田市)
十和田市現代美術館には、草間彌生やロン・ミュエク等、世界的に著名なアート作品が常設展示されています。「アートを通した新しい体験を提供する開かれた施設」をコンセプトに、建築様式や作品の配置、構成、分類において独自の創意工夫を凝らしたアプローチが特徴。アート作品に合わせた建築空間が独立的に配置され、ひとつひとつの展示室がガラスの廊下で結ばれる設計です。
遊び心と追求心にあふれた常設展示の他、企画展スペースやカフェ等もあり、多様な機能を持ち合わせて来館者を楽しませてくれます。
国立近代美術館(東京都千代田区)
1952年(昭和27年)に開館した東京国立近代美術館は、日本で最初に設立された国立美術館としても知られます。展示スペースは約4,500m2、所蔵点数13,000点超の大規模な美術館。2~4階に設けられた所蔵品ギャラリーには、20世紀初頭から現在に至るまでの美術品が一堂に会し、日本画や洋画、版画、水彩画等、多様なジャンルのアートを鑑賞できる場となっています。「今」の作品はもちろん、連綿と受け継がれてきたアートの歴史を俯瞰しながら作品を堪能できる美術館です。
彫刻の森美術館(神奈川県足柄下郡箱根町)
彫刻の森美術館は、1969年(昭和44年)にオープンした野外美術館。箱根の山々を背にした素晴らしいロケーションのなか、近代から現代にいたるまでの多彩な彫刻品を鑑賞できます。澄んだ空気と緑の空間を散策しながら楽しめるアート鑑賞は、オープンエアミュージアムならではの醍醐味です。常設展示される作品点数はおよそ120点。加えて世界有数のコレクション319点が順次公開されるピカソ館の展示も必見です。野外展示だけでなく室内展示のスペースも確保。さらには天然の足湯もあり、一休みしたくなったときは気分を変えてゆったりと過ごせます。アート以外にも楽しませてくれる要素が満載です。
MOA美術館(静岡県熱海市)
熱海の景勝を見渡せる高台に建つMOA美術館は、国宝や重要文化財に指定された作品をはじめ、東洋美術の絵画や工芸品等、約3,500点を収蔵。「野々村仁清」(ののむらにんせい)の「色絵藤花文茶壺」、「尾形光琳」(おがたこうりん)の「紅白梅図屏風」はいずれも国宝。これら日本を代表する芸術作品が、屋久杉や黒漆喰等の伝統素材を使用した和の空間に配されており、優雅な一時を味わえます。館内のメインロビーから伊豆大島や初島を望める等、ロケーションも抜群。桜やツツジ、紅葉等、四季折々の草花が咲き誇る庭園風景も見所のひとつです。
金沢21世紀美術館(石川県金沢市)
「新しい文化の創造」「新たなまちの賑わいの創出」をコンセプトに、2004年(平成16年)に開館した金沢21世紀美術館。オラファー・エリアソンの「カラー・アクティヴィティ・ハウス」、レアンドロ・エルリッヒ作の「スイミング・プール」、ジェームズ・タレルの「ブルー・プラネット・スカイ」、パトリック・ブランの「緑の橋」、ヤン・ファーブルの「雲を測る男」等、有名作家の作品を展示しています。これらの作品はいつでも鑑賞できる常設展示です。他にも期間限定の特別展覧会が催され、国内外で活躍する現代アーティストたちの作品の鑑賞が可能。ミュージアムショップやレストランも併設され、休憩を挟みながらゆったりと芸術鑑賞が楽しめます。
ルーブル彫刻美術館(三重県津市)
世界有数の美術館であるパリのルーブル美術館。門外不出だった美術品の展示を、日本にいながらにして堪能できるのが、三重県津市のルーブル彫刻美術館。正確に言うと展示作品はルーブル美術館に所蔵された作品の復刻作品であり、パリ・ルーブル美術館美術部の技術部員によって制作されたもの。実物を直接型取りしているため、大きさから傷の場所まで忠実に再現されています。同館にはルーブル美術館だけでなく、大英博物館やメトロポリタン美術館の収蔵作品も展示。他の美術館ではなかなか味わえない貴重な体験ができます。世界のアートに触れてみたい方におすすめです。
国立国際美術館(大阪市北区)
国内外の現代美術を中心に、多様なアート作品を鑑賞できる国立国際美術館。オープンは1977年(昭和52年)ですが、建物は1970年(昭和45年)の大阪万博で使用されたバンコク美術館が活用されています。開館以来、現代美術の発信拠点として機能してきた国立国際美術館では、約8,000点にも及ぶ作品数を収蔵。ジョアン・ミロの陶板壁画をはじめ、浜口陽三の版画や横尾忠則のポスター作品等、現代作家のすぐれた作品を展示してきた実績があります。作品展示だけでなく、ワークショップや鑑賞スクール等、学びの場も提供。見て、感じて、学べる美術館です。
足立美術館(島根県安来市)
足立美術館の展示活動の基本方針は、開館以来一貫して「日本庭園と横山大観」。5万坪に及ぶ庭園には、枯山水庭をはじめ、苔庭、白砂青松庭、四季折々の庭園がしつらえられ、見事な日本庭園の美を創出しています。コレクションには、足立美術館こだわりの横山大観はじめ、平山郁夫や松尾敏夫、村上裕二、吉村誠司等の現代日本画を中心とする名品の数々がラインアップ。日本美術好きにはたまらない空間です。日本庭園と日本画が織りなす美の感動を味わえます。
大原美術館(岡山県倉敷市)
大原美術館は1930年(昭和5年)、日本で最初に設立された西洋美術メインの私立美術館。西洋の近現代美術をはじめ、日本の近現代美術や民藝運動ゆかりの作家作品、古代オリエントやイスラム、ヨーロッパの古美術、東洋の古美術等、多様なアート作品を展示しています。日本とヨーロッパ、東洋と西洋、古美術と近現代美術、それぞれ比較しつつ、アートの奥深さに迫るのも大原美術館の魅力。書籍や複製品等を取り扱うミュージアムショップもあり、お土産品や思い出の品を購入したいときに便利です。
タオル美術館(愛媛県今治市)
タオル美術館は、タオル生産日本一の愛媛県今治市にある美術館で、タオルとアートを融合した作品展示が特徴。身近な日用品であるタオルを芸術作品に昇華したユニークな展示を鑑賞できます。館内にはタオルの製造工程を見学できる場所もあり、社会見学の場としてもおすすめです。タオル製品販売コーナーやレストラン、カフェも完備。ショッピングや食事も楽しめます。建物はヨーロピアン風の瀟洒な建築様式で、中世ヨーロッパの古城といった雰囲気。石やレンガ中心の内装にも注目です。従来の美術館とは異なる趣向のアート鑑賞を楽しめます。
長崎県立美術館(長崎県長崎市)
長崎県立美術館は、2005年(平成17年)にオープンした比較的新しいミュージアム。約8,000点にも及ぶ収蔵作品は、長崎ゆかりの美術とスペイン美術が中心です。常設展示室ではこれらの作品を年数回の展示替えを挟みながら随時鑑賞できます。山下清の「長崎風景」、長崎港を描いた風景画、長崎ゆかりの作家・鴨居玲の「私の話を聞いてくれ」等、「長崎」を打ち出したコレクションが特色。また、「県民ギャラリー」と称した地元民参加の美術作品展も開催しており、書道展やビーズ刺繍、水彩画、写真等の展示を楽しめます。
沖縄県立博物館・美術館(沖縄県那覇市)
沖縄県立博物館・美術館は、県内最大の収蔵資料数を誇る沖縄を代表するミュージアム。沖縄ならではの芸術・文化・自然・歴史を同時に楽しみたいのなら、沖縄県立博物館・美術館がおすすめです。美術館では約3,700点のコレクションのなかから、南国の風土が生んだ油画や水彩画、彫刻、版画等の近現代美術作品が展示されており、沖縄独自の芸術を堪能できます。
常設展示や企画展示の他、美術館の裏側とコレクションギャラリーを学芸員が案内するミュージアムツアー、収蔵資料を基にしたオリジナルグッズや伝統工芸品を購入できるミュージアムショップ等、思い出づくりにもこと欠きません。
博物館検索や美術館検索ならホームメイト・リサーチの「旅探たびたん」
これまで博物館や美術館について解説してきました。おすすめの博物館や美術館も一覧で紹介してきましたが、魅力的な施設はまだまだたくさんあります。自分の興味がある分野の博物館を調べたい、好きなアーティストの作品を美術館で見たいと思った方も多いのではないでしょうか。そんなときにぜひチェックしたいのが、博物館や美術館について調べられる「ホームメイト・リサーチ」の「旅探たびたん」。「旅探たびたん」の魅力は以下の3点です。
- 地域名、施設名、地図からなど、様々な方法で博物館・美術館を検索できる
- 博物館・美術館の詳細な情報が充実している
- 口コミ、写真、動画が掲載されている
地域名検索では、都道府県名・市区町村名の順に選択すると、近隣の博物館・美術館が一覧で表示されます。より詳細な地域を絞り込むこともでき、気になった施設を気軽に調べることができるのでチェックしてみましょう。また、モバイル端末からは、現在地から近くの施設を探すこともできます。その他、博物館や美術館の名称を入力することでも検索可能です。
各施設のページには、ユーザー様に投稿していただいた口コミ・写真・動画を掲載。写真や動画でそれぞれの博物館・美術館の雰囲気を確認できるので、訪れたことのない施設でも簡単にイメージすることができます。博物館・美術館を検索する際には、「旅探たびたん」の活用がおすすめです。
まとめ
芸術作品や文化資料等を収蔵する博物館。すべてのジャンルを網羅する総合博物館もあれば、自然科学・人文科学に特化した博物館もある等、様々なタイプがあります。鑑賞だけでなくワークショップや生涯学習等、学びの場を提供してくれるので、初心者やアートにくわしくない方にも優しい施設です。一方、美術館は、展示内容が絵画や古美術等、美術品に特化しているのが大きな特徴。国立・公立・私立の違いもあれば、どんな収集品に力を入れているのかといった展示内容で美術館のカラーが異なります。日本には近現代作家の作品を鑑賞できる美術館が目白押しです。気になる施設があればぜひ調べてみてはいかがでしょうか。
博物館・美術館の基本情報・知識
目次
博物館・美術館の魅力
- 博物館
- 美術館
- 博物館・美術館で気をつけたいマナー
- 博物館・美術館の空間設計と技術
- 博物館・美術館関連のお仕事図鑑
- 一度は訪れてみたい世界の博物館・美術館
- 博物館・美術館が登場する映画や本
博物館・美術館のブログ情報
博物館・美術館特集
博物館・美術館の生活便利情報
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