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国立西洋美術館は、東京都台東区の上野公園内にある美術館です。
フランスの政府から寄贈返還されたコレクションを基本として、西洋美術を対象とする唯一の国立美術館であり、展覧の他、西洋美術に関する資料・作品の収集や調査研究、保存修復、教育、出版物の刊行などを行なっています。
2016年に世界遺産登録された国立西洋美術館は、美術館に収蔵された貴重なコレクションはもちろん、建物も見どころがいっぱいです!収蔵作品や建築のポイントも紹介していきます。
東京都台東区の「国立西洋美術館」への交通アクセス情報をご紹介します。
上野駅から上野恩賜公園へ足を踏み入れると、すぐに国立西洋美術館が見えてきます。待ち構えているのは、世界遺産登録されている建造物です!
美術館の敷地内に入って正面に見えるのが、世界遺産登録されている建物です!
この建物は20世紀を代表する建築家ル・コルビュジエが設計しており、1959年に完成しました。彼が考案した「近代建築の5つの要点」などがこの建物で具体的に表現されており、世界遺産の構成資産のひとつに加えられました。
この建築が従来と大きく違うのは、その構造に鍵がありました。従来は、石やレンガを積み上げて壁を造ることで建物を支えていましたが、この建物は鉄筋コンクリート製の柱と床板で建物を支えています。だから外観も建物内の間取りも自由度が高く、かっこいい外観が実現しているのです!
前庭には、彫刻作品が屋外展示されています。
検太郎はまず、入館する前に前庭の散策をスタート。
彫刻作品はそれぞれ圧倒的な存在感があり、迫力のある角度で楽しめます!
1881-82年(原型)、1902-03年(拡大)、1926年(鋳造)
ブロンズ
国立西洋美術館 松方コレクション
《考える人》はもともとロダンの大作彫刻《地獄の門》の中央扉の上で、地獄の様子を眺めながら思案する詩人の姿として創られました。そこから発想を変えていき、その後《地獄の門》から切り離された《考える人》は特定の詩人ではなく、「無名の創造者」として普遍的な意味での《考える人》になりました。
写真の前庭にある彫刻は1902-03年に制作された拡大作の鋳造作品です。
1880-90年頃/1917年(原型)、
1930-33年(鋳造)
ブロンズ
国立西洋美術館 松方コレクション
撮影:©上野則宏
国立西洋美術館は、ロダンの彫刻や印象派の絵画など貴重な西洋美術作品で構成される「松方コレクション」を保存・公開するために設立されました。これらは川崎造船所の初代社長、松方幸次郎さんが収集された作品です。
経済恐慌のあと、コレクションの一部は日本で売却、一部はロンドンで焼失しましたが、約400点はパリで保管。戦後、一時的にフランス政府の管理下におかれ国有財産とされましたが、日仏友好のため日本へ寄贈返還されることに。その際の条件が、美術館の設立でした。
松方幸次郎さんは、明治の元勲で総理大臣も務めた松方正義の三男です。若い画家たちに本物の西洋美術を見せたい、そのための美術館を日本に造りたい、そんな想いを持って、1916年から約10年間かけて、ヨーロッパを訪れては美術品を収集されました。
しかし、1927年の経済恐慌によって状況が一変。会社の危機を救うために、自らの財産や国内へ持ち帰っていた美術品も手放し、経営の立て直しに充てられました。自らの手で美術館を作ることは叶いませんでしたが、時を経て国立西洋美術館が誕生したことで、目的は果たされたと言えるでしょう。
正面エントランス横のチケット売り場
でチケットを購入して、いよいよ入場。
1階にある常設展へと進みます!
常設展の最初にある空間は、「19世紀ホール」。ル・コルビュジエによって名付けられた、建物の中心にあるお部屋です。本館はここを中心にしてぐるりと巡る流れになっています。ここにも、建築の見どころがいっぱい!
スロープを上がりながら、彫刻を1階とは別の高さ、角度から眺めることも!
収蔵作品を展示している常設展では、私的使用、非営利目的に限って撮影もOKです!といっても、写真を撮ることに集中すると、ゆっくり楽しむことができません。お気に入りの作品を見つけたら、そっとカメラに収める程度がオススメです。撮るときは周りの迷惑になっていないか、撮影NGマークが付いていないか気を付けましょう!ちなみにフラッシュ等の光を発するもの、三脚等は使えません!
1612-13年頃 油彩、板
国立西洋美術館
こちらはバロック期を代表するルーベンスの作品。この絵に描かれたのは、画家の兄の子供たちと考えられています。子供たちはそれぞれ1610年と1611年に誕生しており、絵の子供たちの様子からこの作品は1612-13年頃のものだろう、と推測されています。
ルーベンスらしい素早く即興的な筆の運びによって、子供のふくよかさや健康的な頬の赤みなども見事に表現。仲良く眠る姿がほほえましい一枚です!
展示作品を観ながらも気になるのは、部分的に天井が低くなっていること。ここにも設計のこだわりがありました!
建物の設計時に、ル・コルビュジエ考案の「モデュロール」と呼ばれる寸法を採用しており、人体にとって感覚的に心地良い空間が生まれています。
モデュロール(modulor)はフランス語で寸法を意味する「モデュール(module)」と「黄金比(section d’or)」を組み合わせた造語です。人間に沿った建築を目指して、ル・コルビュジエが人体の寸法をもとに尺度を考案しました。モデュロールの採用によって、国立西洋美術館のいたるところにリズミカルなデザインが見られ、全体的に統一感のある建築になっています。
身長183cmの男性を基準として、「身長:へその高さ=1.618:1」の黄金比を展開。
赤の尺度は身長とへその高さを基準に、青の尺度は手を伸ばした高さを基準に黄金比をあてはめた寸法です。
新館は本館の隣に、中庭を囲むような形で建てられています。常設展の順路に沿っていくと、自然に新館へ入る流れであり、本館と一体的に機能するよう作られています。
この新館の設計・建築は、本館の建築にも携わった前川國男さんの事務所が担当されました。前川國男さんはル・コルビュジエの弟子であり、戦後日本のモダニズムをリードした建築家です。新館は収蔵作品の増加に合わせて増築され、1979年に完成。美術館の設立20周年という記念すべき年に重なりました。
ル・コルビュジエは国立西洋美術館の設計について、「19世紀ホール」を取り囲むように展示室を配置しています。
それは、やがて美術館の収蔵作品が増え増築をしていく際に、核となる部屋を中心に、らせん状に外側へ展示室を増やして建物が成長していく、というアイデアでした。ただし、新館建築は本館の外周を囲むようなかたちでの建築が難しく、実際には本館の流れに沿った順路を踏まえて隣接というカタチになりました。
1916年 油彩、カンヴァス
国立西洋美術館 松方コレクション
クロード・モネは50歳を過ぎて自宅で庭園づくりをしながら、池の睡蓮をモチーフとして繰り返し描きました。天候や時間帯によって表情が変わるので、数多く残された1点1点の絵画も雰囲気が異なります。
国立西洋美術館にあるものは、画家がすでに20年近く睡蓮を描く中で、それ以降の抽象的な絵画に繋がる特徴が観られるもの。水面の大胆な表現は、さらに新境地へと進む革新性を示しています。
新館には他にも、2階に小企画展を開催する版画素描展示室、1階には絵画が多い展示室と、彫刻のみの展示室もあります。
検太郎は、本館から新館へと常設展をぐるりとめぐって、西洋美術をたっぷりと味わいました!
10時から営業し、夜間開館のある金・土曜日には常設展閉室時刻の1時間後まで営業しています。国立西洋美術館の観覧券がなくても利用できます。検太郎がランチで気になったのは、「ル・コルビュジエ ランチプレートセット」!メインの盛り合わせプレートは、本館の建物を表現。パンは三角形のトップライト、四角いお皿は本館の建物を表しています。
他にも、シェフが作品をモチーフにした一皿を考案。モネの『睡蓮』を表現したメニューがあります。
©国立西洋美術館
国立西洋美術館の収蔵品をもとにつくられたミュージアムグッズがたくさん。また、収蔵品や過去の企画展のカタログの他、書籍コーナーでは子供から専門家まで利用できる約3,000種類の書籍が取り揃えられています。
このソファも
ル・コルビュジエ
デザイン!
常設展は9時30分~17時30分が基本ですが、金曜・土曜日は夜間開館をしており、17時~常設展の観覧料は無料!広くいろんな方に利用してほしいという国立の美術館ならではの魅力です!
国立西洋美術館はフランス政府から寄贈返還された松方コレクションを基礎に、西洋美術に関係した作品を収蔵しています。国立として広く公衆のために展示を行なう機関として、1959年に発足しました。
設立以来、毎年購入している作品や寄贈・寄託作品を常設展で観られる他、企画・特別展専用の展示室では欧米等の美術館から借用した作品を集めて企画展を年3回程度開催。また、不定期で様々なイベントも企画されており、西洋美術に親しめる場所です!
国立西洋美術館
【営業時間】
開館時間・カフェすいれん営業時間
9時30分~17時30分(金・土~21時)
常設展・企画展・ミュージアムショップ
9時30分~17時30分(金・土~20時)
※開館時間は変更することがあります。
※2017年12月の情報をもとに制作しています。
上野の森美術館を運営しているのは、常陸宮正仁親王殿下が総裁を務められている公益財団法人日本美術協会です。常設展示は行なっていませんが、毎年美術館が主催する現代美術展(VOCA展)、公募展を行なうほか、独創的な企画展を開催されています。
子供も楽しめ、障害を持つ方がためらいなく来館できる、芸術家の卵が初めて出品するなど、美術振興を図る東京都美術館。多彩な展覧会を行なう他、東京藝術大学と連携した活動や公募展の開催、レストランやミュージアムショップなども充実しています。
1887年の東京美術学校(東京藝術大学の前身)の設置に先立って芸術資料の収集が始められ、1999年に大学美術館として開館。かつての教員や卒業生作品をはじめ日本近代美術を中心に収蔵しており、大学とともに教育・研究の場として機能する他、一般の方も展示を鑑賞することができ、ショップでは東京藝術大学の学生が制作した作品も扱っています。
横山大観、岸田劉生らの重要文化財を含む国内最大級のコレクションを形成。明治から現代までの国内外の名作から会期ごとに選りすぐった約200点を展示する所蔵作品展「MOMATコレクション」は、100年を超える日本美術の歴史を一気に体験できる国内唯一の展示となっています。また、作品の謎解きをするかのような対話による鑑賞プログラム「所蔵品ガイド」(毎日14時から開催)や、年に数回、様々なテーマに基づいて国内外の美術作品を紹介する企画展も見逃せません。
浮世絵師・葛飾北斎は、生涯のほとんどを「すみだ」で過ごしながら多彩な作品を残し、絵画だけでなく彫刻や工芸などあらゆる分野に大きな影響を与えました。すみだ北斎美術館では、世界の画人・葛飾北斎と門人の作品を紹介する他、北斎の生涯や、北斎と墨田区とのかかわりも伝えています。