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2015年(平成27年)に、中央環状品川線(高速湾岸線~高速3号渋谷線)の山手トンネルの工事が終了し、首都圏3環状線の中で初の全線開通となりました。リングの完成による効果は、中央環状線と接続する東名高速・中央道・関越道などからマイカーや高速バスを利用して都心に容易にアクセスできるようになったことです。その他にも、空港への到着時間が短縮できるなど、東京はより身近で魅力的な街へと進化を続けます。

乗川 哲男と乗川 道子
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首都高速中央環状品川線の特徴と機能

首都高速中央環状品川線の特徴と機能

首都圏3環状道路は、交通渋滞の緩和や生活空間のより良い創造など、首都圏を魅力ある都市構造に再生するために構想されたものです。環状線の3つのリングを使用する約6割が、放射線から放射線への通過交通であるという交通調査結果が出ており、これが都心環状線を飽和状態にする大きな原因でした。中央環状品川線の開通で交通の迂回や分散が進み、効率良く首都高速全体のネットワークが機能し始めています。

また、池袋新宿世田谷などの東京西部のエリアにおいて、羽田空港へのアクセスが抜群に良くなったという大きな利点も生まれました。ここでは、3幹線道路初の開通を達成した中央環状品川線に焦点を当ててご紹介しましょう。

首都高速中央環状品川線開通の歴史と長さ日本一の山手トンネル

首都高速中央環状品川線開通の歴史と長さ日本一の山手トンネル

首都高速中央環状品川線は、中央環状線の南部エリアにあたる首都高速道路で、3号渋谷線・中央環状新宿線が接続する大橋ジャンクション(JCT)と、湾岸線の大井ジャンクション(JCT)間を結ぶ延長約9.4kmの道路です。2015年(平成27年)の完成により、湾岸線葛西ジャンクション(JCT)から大井ジャンクション(JCT)まで、都心を取り巻く半径8km、総延長約47kmの中央環状線のリングが完成しました。これは、都心を囲む3重のリング、首都圏3環状道路(中央環状線外環道圏央道)の中で初となり、環状道路の機能を本格的に発揮することで、東京をより魅力ある都市へ変化させることとなります。

首都圏の高速道路は、内閣府の首都圏基本問題懇談会が1963年(昭和38年)に打ちだした3環状9放射構想で整備が進められていました。9放射とは、中央道や東名高速・関越・東北道などのことで、これらは整備が着々と進行します。

一方、3環状である中央環状線・外環道・圏央道の整備は進まず、1963年(昭和38年)から計画されてから50年以上の年月をかけてようやく実を結ぶこととなりました。当初の計画では、湾岸線と渋谷線を結ぶために目黒川上空に高架式の道路を建設する計画でしたが、環境問題などで住民からの強い反対を受け休止。その後、1990年(平成2年)に地域環境を考慮した地下トンネル案が浮上し、山手トンネルの計画が進められました。

山手トンネルは、中央環状線の南側部分の中央環状新宿線と中央環状品川線を合わせたもので、その長さは日本最長の約18.2kmに及びます。世界的に見ても、ノルウェーのレアダールトンネル約24.5kmに次ぐ世界で第2位の長さです。

首都高速中央環状品川線の約9.4kmの内、約8.4kmは目黒川や山手通りの地下を通るトンネル部分で、高架が約0.6km、擁壁部分が約0.4km。このトンネル計画のおかげで、首都高速中央環状品川線が8年半という短い工期で完成することが可能になりました。

首都高速中央環状品川線の上下線の特徴と機能とは

首都高速中央環状品川線の上下線の特徴と機能とは

首都高速中央環状品川線の大きな特徴は、一般の道路では進行方向の右側に反対車線があるのに対し、山手トンネル内では進行方向の左側に反対車線が設けられた左右を逆転させた形になっていることです。これにより、通常の首都高速道路でよく見られる追い越し車線(右側車線)での合流や分岐ではなく、走行車線(左側車線)での合流・分岐が可能になり、より快適な走行性が実現。さらに、事故火災など、緊急に避難が必要で、車から降りるときに、追い越し車線を横断せずに済みます。広い路肩スペースが避難通路の横に確保されているので、走行車線から連絡坑の非常口を通って、安全に反対方向のトンネルに避難することが可能。

このように、日本で最も長い首都高山手トンネルを右側通行にすることで、地上からの合流の利便性と避難時の安全性の利点を実現しています。首都高速中央環状品川線は、その約90%がトンネルという特殊な構造です。地上で起こる事故や災害では対応できることが、トンネル内で起きれば大惨事になることは想像に難くありません。そのため、開通と同時にセキュリティ面も強化されてシステムも一新されました。

湾岸線から渋谷線の間の山手トンネル内には、反対のトンネル方向に避難できる避難連絡坑が26ヵ所設けられています。首都高新宿線が最大で350mの間隔に対し、首都高速中央環状品川線は最大で250mの間隔で避難連絡坑が設置され、より安全性が考慮された設計。仮に上り線・下り線のどちらか一方で火災が発生したとしても、上り線と下り線の非常口が連結しているので反対側に安全に非難することができます。

管制室では、24時間態勢で首都高速中央環状品川線をはじめ、山手トンネル内に100m間隔で置かれたテレビカメラで常に監視。怪我などで動けない場合も、エリアごとに細かく分けられた場所が点滅し、瞬時に異常を察知できるようになっています。また、有名なパーキングエリアとしては、大井パーキングエリア(PA)があります。

首都高速中央環状品川線の走行で気を付けるべきポイントと羽田空港への所要時間

首都高速中央環状品川線の走行で気を付けるべきポイントと羽田空港への所要時間

大橋ジャンクション(JCT)から大井ジャンクション(JCT)へ走行する場合、湾岸線方面に行くのであれば左車線に移って走りますが、行き先表示をしっかりと見ていないと、中央自動車道東北自動車道方面へ流れで入ってしまうことがあるので、特に初めて利用する場合には注意が必要です。また、湾岸線方面への道のりは短めに分岐路が設けてあるので、スピードを緩めながら走行しないと通り過ぎてしまう可能性があります。

首都高速中央環状品川線もそうですが、全般的に山手トンネル内道路には勾配があるので、速度低下や速度超過を起こしやすいことにも気を付けましょう。そのような場所は、警告を示す自動速度取締器設置路線と書かれた看板があるので、速度超過に注意しながら走行することが大切です。その他にも、単調なトンネル内を長く走っていると、急に長いカーブになることがあるので、速度を少しずつ落としスピード調節しながらカーブに入るなど、油断せずに気を付けなければいけません。

大井ジャンクション(JCT)では中環大井南出口から湾岸線に接続しますが、三軒茶屋駅を出発して約20分羽田空港に到着することが可能です。都心環状線と比較すると、新宿から羽田空港までが通常約40分要するのに対して、中央環状線を経由すれば約半分の時間で行けることになります。大橋ジャンクション(JCT)と大井ジャンクション(JCT)の間には五反田インターチェンジ(IC)があり、大橋ジャンクション(JCT)入り口と大井ジャンクション(JCT)の出口がありますが、目黒線や羽田線とは接続していないので気を付けましょう。

首都高速中央環状品川線を利用する最大のメリットは、都心の西側の新宿・池袋・世田谷エリアから羽田空港へのアクセスが飛躍的に向上することです。また、羽田空港から1時間以内に移動できる範囲が開通前と比較すると格段に広がり、国際線の発着便の増加や滑走路の新設などで利用者が増大している羽田空港がより使いやすくなります。

首都高速中央環状品川線大橋ジャンクション(JCT)周辺の観光スポットとアクセス方法

首都高速中央環状品川線大橋ジャンクション周辺の観光スポットとアクセス方法

大橋ジャンクション(JCT)周辺の人気観光スポットに、目黒天空庭園があります。首都高速中央環状品川線大橋ジャンクション(JCT)の屋上部分を活用した庭園で、総面積約7,000m²、高低差24m、長さ約400mを有す広々とした空間。庭園の一番高い場所からは富士山の素晴らしい景観が見晴らせ、季節を感じられる草花や芳香植物がたくさん植えられた都会の中のオアシスとして人気を呼んでいます。また、枝ぶりが素晴らしい松や石灯籠・日本庭園もあり、和の文化を楽しめる空間造りが行なわれているため、所々に設置された椅子に座ってゆっくりと眺めるのも良いでしょう。

庭園のエントランスである3階部分まではエレベーターで上がることができ、眼下にはカタツムリの殻のような形をしたジャンクションが見られる面白い構造です。エレベーターから上がるとすぐにぶどう棚が広がり、育てたぶどうで赤ワインが作られています。また、同じフロアには図書館が併設されているので、雨の日など天候を気にせずに楽しむことも可能。大橋ジャンクション(JCT)の建物の屋上にあるので、首都高速中央環状品川線を利用する場合は出口の建物です。

目黒天空庭園の近くにある目黒川は、シーズン中には全国各地から観光客が訪れる人気の場所。見頃は3月下旬~4月上旬で、約800本のソメイヨシノが3.8kmの川沿い両岸に咲き誇る様子は圧巻です。

首都高速中央環状品川線大井ジャンクション(JCT)周辺の人気観光スポットとアクセス方法

首都高速中央環状品川線大井ジャンクション周辺の人気観光スポットとアクセス方法

羽田空港は大井ジャンクション(JCT)周辺の人気観光スポットのひとつです。航空機発着数が日本一を誇ることで全国的に知られており、国内線(第1・第2)と国際線の3つのターミナルすべてに展望デッキが設けられています。旅行以外に観光で訪れる人たちも多く、様々な国を旅してきた飛行機は人々の心を魅了して止みません。特に、足元に約4,000個のLEDライトが埋め込まれた国内線第2旅客ターミナルの展望デッキ“星屑のステージ”は、夜にはロマンチックな雰囲気を醸し出しデートコースとしても人気です。

また、細川家の700年の歴史を収集した日本初の空港内美術館“ディスカバリーミュージアム”や、食事を楽しみながら星を鑑賞できるカフェとプラネタリウムが一緒になった喫茶店など、飛行機以外にも楽しめるスポットが目白押し。大井ジャンクション(JCT)の大井南出口を左分岐方向へ入り、分岐後左車線1号羽田線(上り) 銀座都心環状線方面をそのまま5分ほど車で走ると羽田空港へアクセスできます。

天王洲アイルも人気が高い観光エリア。東京ベイエリアにある、周辺を運河に囲まれた小さな島で、水辺のアートスポットとして、芸術を楽しめる魅力的な空間です。島を囲む水辺のボードウォーク(遊歩道)を、ゆったり流れる運河や都会のビル群を眺めながらのんびりと散策することが可能。多彩な食を楽しめるレストランや劇場など、水と緑を活かした、ゆったりとした開放感を存分に味わえます。天王洲アイルは、大井ジャンクション(JCT)の出口を出て品川方面へ車を3分ほど走らせた場所です。

※この記事は、2018年1月時点の情報に基づいて作成されています。

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