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普段何気なく利用している「空港」ですが、意外と知らないことが多いはず。そこで、本記事では空港の定義から裏側、最新の技術などをご紹介します。様々な日本一を持つ空港も登場しますので、ぜひ空港の魅力を再発見してみて下さい。

乗川 哲男と乗川 道子
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空港についてどれくらい知ってる?

空港についてどれくらい知ってる?

出張や帰省、旅行などで飛行機を利用する方も多いのではないでしょうか。「空港」は、飛行機に乗り降りするために欠かせない施設です。

本記事では、知っているようでよく分からない「空港について」詳しく解説します。「空港」と似た意味で使われがちな「飛行場」との違いや、空港の定義、裏側を知ることで、空港で過ごす時間がより楽しくなるかもしれません。

さらに、様々な日本一を誇る、国内の空港を5つ取り上げました。

普段何気なく利用している空港ですが、この機会に本記事を活用して、ぜひ魅力を再発見して下さい。

そもそも空港とは?

空港は、旅客機や貨物機、チャーター機など、公共用に使用される航空機が離着陸するための飛行場のことです。

国土交通省の「空港一覧」によると2019年(令和元年)現在、日本には97の施設が空港として登録されています。

空港の設備

空港には、主に以下のような設備が設置されているのが特徴です。

  • 滑走路・誘導路、駐機場
  • 管制塔
  • レーダー・無線設備、消防施設
  • 気象観測施設
  • 旅客・貨物の積み下ろし用設備
  • 航空機の整備・補給設備
  • 灯火・標識、誘導装置等
  • 雨水排水施設、不法侵入者を防ぐフェンス

これらは、いずれも航空機が安全に離着陸するために、必要な設備となります。

空港と飛行場の違いとは?

「空港」と「飛行場」は混同されがちですが、厳密にいうと両者は異なります。戦後に制定された「空港法第2条」によって「空港」と「飛行場」は区別されるようになりました。

「空港法第2条」によると、「『空港』とは、公共の用に供する飛行場(附則第二条第一項の政令で定める飛行場を除く。)をいう。」と定義されています。

やや分かりにくい表現ですが、飛行場という大きな括りの中に空港がある、という位置づけです。また、以下の飛行場に関しては、「空港」とは呼ばれないことが空港法で定められています。

飛行場に属するもの(空港ではない)

  • 自衛隊・米軍が使用する専用飛行場
  • 小型機専用の飛行場(滑走路の長さが1200m未満、または、定期便が就航していない規模)
  • ヘリポート
  • 水上飛行場

自衛隊と旅客機が共同で滑走路を使う福岡空港のような施設は、空港に分類されます。

空港の役割とは?

日本で最初にジェットエンジンを搭載した旅客機が導入されたのは、1960年です。JALに導入された32機のジェット旅客機「ダグラス DC-8」は、日本の高度経済成長を支えました。

この頃の空港は、旅客機に乗り降りするための「乗り場」としての役割が主でした。

近年、空港には乗り降りする機能の他に、待合者や見送り客が快適に過ごせる空間作り、各種交通の乗り継ぎやすさ、さらにはレジャー施設としての要素も必要です。

多様なニーズを満たすため、空港ごとに工夫を凝らしたサービスが提供されています。

日本に空港はいくつある?

日本には2019年(令和元年)現在、97拠点もの空港があります。その中で最も数が多い都道府県は、北海道12拠点です。

次いで多いのが沖縄10拠点鹿児島8拠点と、離島のある県には多くの空港が整備されていることが分かります。

ちなみに、東京都の空港というと羽田空港が有名ですが、実は全部で7つもの空港が整備されていることはあまり知られていません。

東京の空港一覧

  • 羽田空港/東京国際空港
  • 大島空港
  • 新島空港
  • 神津島空港
  • 三宅島空港
  • 八丈島空港
  • 調布飛行場

羽田空港と調布飛行場を除き、5つの空港は名前の通り、いずれも離島に位置します。

よく聞くハブ空港って何?

ハブ空港とは、多数の航空路線が集中している空港のこと。航空機の乗り換えなど中継役としての役割を持つことから、ハブ(拠点)空港と呼ばれます。

古くは、貨物飛行機の積み替え拠点のことをハブ空港と呼んでいました。近年、飛行機を乗り継ぐことが一般的になり、拠点となる大型の空港が整備されたことで、ハブ空港は旅客と貨物どちらの意味でも使われるようになりました。

日本の代表的なハブ空港

  • 成田国際空港…JALやANAなどがハブ空港と位置づけ、多くの機体を駐機
  • 関西国際空港…LCC系の航空会社の多くがハブ空港として利用

日本では、成田国際空港と関西国際空港が、国際的なハブ空港として有名です。成田国際空港は国内外137都市の拠点として、関西国際空港は82都市を結ぶ拠点として機能しています。

意外と知らない空港の秘密

意外と知らない空港の秘密

ここからは、あまり知られていない空港の秘密についてご紹介します。普段、あまり知る機会のない空港の裏側を見てみましょう。

滑走路の数字は何を表している?

滑走路の両端に付いている、「06」や「27」といった数字。滑走路によっては、「28R」などアルファベットが組み合わされることも。

滑走路の数字が示しているのは、「これから飛び立つ方角」です。航空機が安全に飛ぶために欠かせない数字となります。

滑走路の数字と方角

  • 北:36(360度の意味)
  • 南:18(180度)
  • 西:27(270度)
  • 東:09(90度)

(2本の滑走路が平行に並んでいる場合)

  • 右側:R(Right)
  • 左側:L(Left)

この数字によって、どの滑走路からどの向きに向かって飛ぶべきか、すぐに確認することが可能です。旅客機は管制官とパイロットが互いに連絡を取りながら運行していますが、聞き間違いや勘違いを防止するために、滑走路上の数字は役立ちます。

もちろん、正確に真南や真東に滑走路を引けないケースもあるでしょう。その場合、例えば「05R」などの数字となり、「北東向きの右側滑走路」という意味になります。

預け荷物の裏側は大忙し

搭乗予定の航空会社の窓口に預けた荷物は、いくつもの工程を経て旅客機に積み込まれます。

インライン検査装置と呼ばれるX線検査の他、手作業でコンテナに積み込む作業などが必要です。

メイクと呼ばれる積み込み作業は、実はとても重要で、飛行中にコンテナの中で荷崩れが起きると、機体がバランスを崩す他火災の原因になるなど、大事故につながるケースがあります。

そのため、熟練のスタッフの手によって、慎重に積み込み作業が行なわれています。

荷物を預けてから航空機に積み込まれるまで
預ける⇢ベルト⇢インライン検査装置⇢ベルト⇢メイク(手作業で仕分け作業)⇢コンテナ⇢カーゴローダー⇢航空機の貨物室
目的地に着いてから受け取るまで
航空機の貨物室⇢カーゴローダー⇢到着ソーティングエリア⇢ベルト⇢受け取る

これらの作業をわずかな時間で、かつ正確に行なう必要があります。

空港はなぜ2時間前に向かう必要があるのか

空港は出発の2時間前に行ったほうがいい」と聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。なぜ2時間も前に?と思う方も多いでしょう。

その理由は、出発までに時間がかかる要因がたくさんあり、時間が読めないからです。

特に国際線の場合、余裕を持って手続きを進めておいたほうがいいでしょう。国際線を例に、時間がかかる要因を挙げてみます。

  • 搭乗手続き/チェックイン
  • 保安検査場
  • 出国審査
  • 遠い搭乗ゲート
搭乗手続き/チェックイン
空港に着いて最初に行なう搭乗手続き。搭乗手続きは、利用客の多い年末年始や夏休みなど長蛇の列ができ、なかなか進みません。場合によっては30分から1時間並ぶこともあるくらいです。機械によるチェックインやオンラインチェックインが普及しはじめましたが、スーツケースなど預け荷物は窓口に預けなければならず、結局待たされることも少なくありません。
保安検査場
保安検査場は、繁忙期でなくてもかなり時間がかかります。テーマパークのアトラクションのように、蛇行しながら長蛇の列ができているケースも多く、早めに通過しておいたほうがいいでしょう。万が一、ここで身体や手荷物のX線検査に引っかかった場合はさらに時間がかかります。
出国審査
出国審査で引っかかるケースはあまりありませんが、乗り継ぎが多い方や渡航歴が多い方は、まれに引っかかるケースがあります。事情を話せば問題ありませんが、もし引っかかると時間がかかるため注意して下さい。
遠い搭乗ゲート
国際線の場合、保安検査場から搭乗ゲートまで非常に遠いケースも多いです。また、LCCなどの格安航空会社を利用している場合は、ターミナルの端のほうに搭乗口があることも多く、移動にはかなり時間がかかります。

空港には、これらの時間を取られる要因がたくさんあるため、できるだけ早めに着いておくほうが安心です。2時間という時間も、決して大げさな数字ではないといえます。

保安検査(X線)はどこまで見えている?

空港の保安検査場で行なわれるX線検査は、主に金属や液体を検知するための機械です。スマホやアクセサリー、腕時計などは事前に外します。かばんの中に入れておいても再チェックを受けるものとして、PCやタブレット、スプレー、ライター、液体類などが挙げられます。タオルや洋服などは透過し、その下にある液体や金属がはっきり見える仕組みになっています。保安検査場入り口に、持ち込み禁止物などの表示があるのできちんと確認しておくと安心。

ボディースキャナーは近年導入が進んでいる最新の設備で、ガラス張りの検査台で両手を広げた状態で危険物の有無などをチェックするものです。

高性能のため身体の細部まで写すことができますが、プライバシーへの配慮から身体的な特徴は見えにくいよう調整されています。

様々な日本一を持つ空港を見てみよう

様々な日本一を持つ空港を見てみよう

日本にある97拠点の空港の中から、様々な日本一を持つ空港をご紹介します。

トイレもピカピカ!最も清潔な空港ランキング1位|羽田空港(東京)

羽田空港の清掃員、新津春子さんはご存知でしょうか。特集番組がたびたび放送されるなど、羽田空港の清掃のキーマンとされている女性です。

この羽田空港は、世界有数の清潔な空港として知られています。

年間8,000万人以上が利用する羽田空港ですが、SKYTRAX社が公表している「世界ベスト空港2019(World’s Best Airport in 2019)」において、「清潔な空港」として国内1位、世界2位を獲得するなど、毎年上位をキープし続けています。

羽田空港では、約700人の清掃員が連日、ターミナルの床から水飲み場のシンクを磨き上げるなど、徹底した清掃が行なわれており、いつでもピカピカです。

羽田空港を訪れた際は、ぜひ床やトイレ周りなど行き届いた清掃にも目を向けてみましょう。

ターミナルビル?公民館?日本一小さな空港|粟国空港(沖縄)

沖縄県の粟国島(あぐにじま)にある粟国空港は、日本で最も短い滑走路を持つ、小さな空港です。

2018年の5月に完成した新しいターミナルビルは、公民館のような小ぶりで家のような作りに驚く方も多いでしょう。

ただし、相次ぐ事故などにより2018年4月以降は定期便がなくなっており、現在も運航再開の目途が立たない状態が続いています。地域ではフェリーの代替手段や地域振興として、運行再開を望む声も多いようです。

日本一混雑する空港!空中待機は当たり前|福岡空港(福岡)

日本一空が混み合う空港として有名なのが福岡空港。着陸を目前にして、上空を何度も周回する経験をした方も多いのではないでしょうか。

滑走路一本あたりの離着陸数は全国最多で、滑走路処理容量と呼ばれる、安全に離着陸できる目安を超えた状態が続いています。

対策として、現在一本の滑走路に並行する形で滑走路の増設が進んでいますが、2本の滑走路でも、10年ほどで再び滑走路処理容量を超えてしまうという試算もあります。

年間150人?最も利用客の少ない空港|慶良間空港(沖縄)

慶良間(けらま)空港は、沖縄本島よりさらに南側に位置する外地島(ふかじじま)にある空港です。

同空港は東急エージェンシーの「全国空港乗降客数一覧」によると、2018年の年間利用者は約150人であり、日本一利用者の少ない空港となっています。

一方で、悪天候によりフェリーが欠航したときや救急患者の移動、災害時などに利用されており、地域にとってはなくてはならない空港です。

日本で最も着陸が難しい空港|信州まつもと空港(長野)

信州まつもと空港は、日本で最も標高が高い場所に位置する空港です。

標高657.5mの高度と周囲を険しい山岳に覆われているため、「日本で最も着陸が難しい空港」といわれています。

加えて、多くの空港に取り付けられているILS「計器着陸装置」が取り付けられておらず、着陸はパイロットの目視を頼る必要があります。

これが未来の空港の姿?無人化背番号制などテクノロジー満載!

これが未来の空港の姿?無人化や背番号制などテクノロジー満載!

空港では、次々と新しいテクノロジーが導入されています。最新の設備やテクノロジーをチェックしてみましょう。

AIや省人化で空港も無人化するかも!

航空業界でも、最新技術を導入し、省人化・無人化を目指す取り組みが始まっています。

無人化が最も進んでいる空港は、シンガポールのチャンギ国際空港が有名です。出発フロアには、航空会社のカウンターの代わりに機械が整然と並び、利用者はチェックインから荷物の預け入れまで人の手を介さずに行なうことができます。

国内では羽田空港が無人で手荷物を預けられる「自動手荷物預け機」を導入し、チェックインの混雑緩和を目指しています。

今後、こうした取り組みは様々な空港で導入されていくことでしょう。

パスポートがなくなるかも!顔認証の進化

先ほどご紹介した羽田空港では、顔認証ゲートと呼ばれる装置の試験導入も行なわれています。

国際線の到着ゲートに10台並べられた顔認証ゲートは、一見すると駅の改札ゲートのよう。

パスポートを手元のスキャナーに読み込ませ、前面のガラスの画面を見つめることで照合され入国手続きが終わるというもの。すでに導入しているシンガポールのチャンギ国際空港では、顔写真の照合だけでなく、指紋認証も行なわれ、認証されるとゲートが開くというシステムになっています。一般的な入国審査は長蛇の列ができるのに対し、これなら一人あたり1分弱で終わります。

カメラや生体認証の技術は日増しに進歩しており、ドバイ国際空港では最先端の認証技術の試験導入によって、搭乗手続きの際にパスポートの提出が一部不要になっているそうです。

将来、パスポートそのものがなくなり、より気軽に航空機に乗れる日も近いのかもしれません。

乗客に背番号?乗り継ぎがよりスムーズに

近年、航空業界で注目を浴びているプロジェクトのひとつが「OneID」。増え続ける航空需要への対応やコストの削減、旅客への情報提供の他、待ち時間の低減に、最新のテクノロジーを活用しようというものです。

OneIDでは、旅客ごとに固有の番号が割り振られ、搭乗から到着まで個人に割り振られた同じ番号によって、各種の情報が管理されます。

この技術を用いると、テロリストの判別や不審者の割り出し、その他の犯罪行為の兆候も掴むことができるとされ、より安全で快適な空の旅が楽しめるといわれています。

※この記事は、2019年(令和元年)11月時点の情報に基づいて作成されています。

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