北上博物館
北上市立博物館は、北上市のみちのく民俗村の中に隣接している博物館です。近くには桜の名所の北上展勝地や北上川が流れています。車で来られる方が多く、無料の駐車場があるので便利です。駐車場から博物館までは少し坂道になります。博物館は平成28年9月にリニューアルし、新緑を背景にコンクリートの平屋建で、深い軒の出がとてもシャープな印象です。新しくマスコットキャラクターも誕生し、ますます博物館に親しみを持ってもらえるように工夫しています。
展示物は、北上を語る上で欠かせない歴史的な出来事を、6このテーマに分けて、実物のものや、映像、模型などを用いながら展示されています。詳しく知りたいときは、博物館員の方に声をかけると、詳しく、わかりやすく説明してくれます。また、出入り口付近に置かれている、地元の製鉄会社が協力し、3Dプリンターを使用して復元された1000年前の鉄製の鐘の音を聞くことができますよ。こんな音色を1000年前の人も聞いていたのかなと思うと、感慨深いものがありますね。
年に何回か催されていますが、現在は特別展として、『慶念坊とその時代展』が開催されています。幕末から明治初期にかけて、宮城県涌谷町を中心に、貧しさゆえに「間引き」された子供の救済に尽力した和賀町出身の浄土真宗の僧が、どのようにして明治維新後の時代、地方の農村で起こっていた貧しさゆえに悲しい選択をせざる得ない農民の苦しみと悲しみから、親鸞の教えを通して、人々を救う活動をしていた生涯を伝える記録が展示されています。また、北上市と宮城県涌谷町との間で、慶念坊の生涯や功績を学び、それぞれのゆかりの地を訪ねて理解を深める文化交流会なども行われました。生前、お餅が好きだったことから、毎年、慶念坊さんの命日にあたる7月5日に『餅供養』としてお餅が振舞われて供養されているそうです。
映画化のお話も進んでいるそうなので、是非、博物館に行って特別展示会を見てみるのもおススメですよ。