屋内照明で色かぶりが発生したり、曇天で寒々しくなってしまったりと、納得のいかない写真撮影をしたことがあるかもしれません。これらを防いだり補ったりすることができるアイテムが、フィルターです。
効果を大別すると2つ。より実際の見た目に近づけることができる効果と、より理想的な写真にするための効果です。
前者は照明や天気の影響で、色や光に偏りが発生してしまったときに効果的で、目的に合ったフィルターを使用することで、その偏りを補うことができます。
後者は演出をプラスするということ。夕日の色味をプラス、ボケみをプラスなど、撮影条件に限界があるときにフィルターを使用すると、より理想に近づけることに。
フィルターの種類には、ガラス製のねじ込みタイプと、レンズに取り付けた専用フォルダーにフィルターシートを挟むタイプの2つがあります。どちらのレンズも口径に合わせたフィルターを選びましょう。
主に色や光を調節するフィルターが多く、そのなかで細かく分類されています。特徴と共に代表的なフィルターをご紹介します。
写真にとって、露出に関する要素と同等に重要なのが色。色味によって写真のイメージはガラリと変わります。
「加色法の三原色」と「原色法の三原色」と呼ばれる色があり、この原理に基づいてカメラ内部や印刷時に色が決定されます。理論や法則は割愛しますが、この仕組みを活用したものが色補正フィルターです。
写真撮影をした際に、照明や天気の影響で色に偏りが生じることがありますが、色には対極に位置する「補色」と言う色があり、その偏っている色の補色フィルターを使用すると偏りを解消することが可能に。加色法と原色法の6種類のフィルターがあります。
色には温度が高くなると青っぽくなり、低くなると赤っぽくなるという性質があり、それを数値化したものを「色温度」と言います。色温度変換フィルターを使うと、この色味を調整することが可能です。
種類はブルー系とイエロー系の2つが基本。例えば、夕焼けを撮影する際にイエロー系の色温度変換フィルターを使うと夕日が強調され、逆にブルー系を使うと夕日の色が抑えられ昼間のような写真に。
色補正フィルターでも言えますが、これらのフィルターには段階的に色が細分化されていて、色の強弱や濃淡を選択することができます。
文字通り偏った光に対して有効なフィルターです。「偏った光」とは、ガラス面や水面に反射して写りこんでしまった光のことを言います。偏光フィルターを使うことで反射光を取り除き、向こう側に隠れた被写体をしっかりと写すことが可能に。
また、青空をより青くするなど風景の彩度を上げる働きもあります。
偏光(PL)フィルターなし
使用カメラ:Canon EOS 5D Mark III
使用レンズ:EF 70~200mmズーム 2.8L使用
設定状況:ISO100、1/250秒、F5.6、±0補正
偏光(PL)フィルターあり
使用カメラ:Canon EOS 5D Mark III
使用レンズ:EF 70~200mmズーム 2.8L使用
設定状況:ISO100、1/160秒、F5.6、±0補正
主に屋外撮影の際、晴天など光が強すぎるときに、カメラに入る光の量を少なくするフィルター。取り入れる光の量を減らすことができるので、絞りやシャッタースピードへの影響が軽減され、それらの選択範囲が広がります。
特別な演出をプラスすることができるのが特殊効果フィルターで、太陽や照明の光をフレーミングしたときに効果を発揮。四方にクロスする光線を強調するという演出です。
4本クロスフィルターと、八方に光線が伸びる8本クロスフィルターがあります。
ソフトフィルターは、人工的にぼかし演出をプラス。肌質をぼかしたり霧状にぼかしたりするなど様々な種類があり、絞りによるボケみとは微妙に印象が異なります。
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